読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

サピエンス全史 下

「科学者自身はお金の流れを支配している政治的、経済的、宗教的関心をいつも自覚しているわけではないし、実際、多くの科学者が純粋な知的好奇心から行動している。とはいえ、科学者が科学研究の優先順位を決めることはめったにない。


たとえ私たちが、政治的、経済的、あるいは宗教的関心の影響を受けない純粋科学に資金提供することを望んでもおそらく、実行は不可能だろう。(略)限られた資源を投入するときには、「何がもっと重要か?」とか「何が良いか?」といった疑問に答えなくてはならない。

そして、それらは科学的な疑問ではない。科学はこの世に何があるかや、物事がどのような仕組みになっているかや、未来に何kが起こるかもしれないかを説明できる。

だが当然ながら、科学には、未来に何が起こるべきかを知る資格はない。
宗教とイデオロギーだけが、そのような疑問に答えようとする。」


「提供できるお金が限られており、両方の研究プロジェクトに資金を出すことが出来ないとしたら、どちらにお金を回すべきか?

この質問に対する科学的な答えはない。政治的、経済的、宗教的な答えがあるだけだ。」


「科学は自らの優先順位を設定できない。また、自らが発見した物事をどうするかも決められない。(略)自由主義の政府や共産主義の政府、ナチスの政府、資本主義の企業は、全く同じ科学的発見を全く異なる目的に使うであろうことは明らかで、そのうちのどれを選ぶべきかについては、科学的な根拠はない。

つまり、科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合にのみ栄えることが出来る。イデオロギーは研究の費用を正当化する。それと引き換えに、イデオロギーは科学研究の優先順位に影響を及ぼし、発見された物事をどうするか決める。」


「特に注意を向けるべき力が二つある。帝国主義と資本主義だ。科学と帝国と資本の間のフィードバック・ループは、過去500年にわたって歴史を動かす最大のエンジンだったと言ってよかろう。今後の章では、その働きを分析していく。

まず、科学と帝国という二つのタービンがどのようにしてしっかり結びついたかに注目し、続いて、両者が資本主義の資金ポンプにどのようにつながれたかを見てみることにする。」


〇「科学を気前よく…」を読んで、一気に興味が掻き立てられたので、今までのところを飛ばして、一気にこの部分のメモをしてしまいました。

もし、時間があれば、また前に戻ってメモをすることにし、今は、このまま前に進みたいと思います。