読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ホモ・デウス (下) (第9章 知能と意識の大いなる分離)

〇 再び下巻を借りたので、前回メモできなかった部分をメモしておきます。

 

この前の部分は、こちらです。

 

「巫女から君主へ

 

グーグルやフェイスブックなどのアルゴリズムは、いったん全知の巫女として信頼されれば、おそらく代理人へ、最終的には君主へと進化するだろう。この道筋を理解するには、今や多くの運転者が使う、GPSに基づいたナビケーション・アプリの「Waze(ウェイズ)」の場合を考えるといい。(略)

 

 

一見すると、ウェイズのアルゴリズムは巫女のような役割を果たしているだけに思える。あなたが質問すると、巫女が答えるが、決定を下すのはあなただ。ところが巫女があなたの信頼を勝ち取れば、当然、次のステップは巫女を代理人に変えることだ。あなたはアルゴリズムに最終目的だけを告げ、アルゴリズムがあなたの監督なしに、その目的を達するために行動する。(略)

 

 

 

そしてついには、ウェイズは君主になるかもしれない。途方もない力を手にし、あなたよりもはるかに多くを知っているウェイズは、あなたや他の運転者たちを操作し、あなたの欲望を形作り、あなたに代わって決定を下し始めるかも知れない。

 

 

たとえば、ウェイズはとても性能が良いので、誰もが使い始めたとしよう。そして、ルート1号では交通渋滞が発生しているけれど、その代わりとなるルート2号は比較的空いているとしよう。たんにウェイズが運転者全員にそれを知らせるだけでは、彼らはルート2号に殺到するので、こちらの道も渋滞してしまう。

 

 

誰もが同じ巫女を利用し、誰もがその巫女を信用しているときには、巫女は君主に替わる。だからウェイズは私たちのために考えなければならない。ひょっとするとウェイズは、運転者の半数にしかルート2号が空いていることを伝えず、残りの半数にはこの情報を伏せておくかもしれない。そうすれば、ルート2号を混雑させずに、ルート1号の渋滞を緩和できる。」

 

 

〇 巫女が君主への意味が分かりました。