読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ホサナ

面白いです!

「…(略)… ほんと、なんもねーよ。みんなこんなか逃げてきたけどね。

結局、死んだしね。よりよくしようとしてこうなったってことだけは

間違いないんだからね。それだけはマジでわかってほしいんだわ」


「よりよくしようとしてこうなった」

身につまされます。私がこの時考えたのは、原発事故のことでした。


「これを真似た方がよいのだろうか。しかしそれには危険が伴う。(略)

もちろん、何も知らない人間が自分たちの儀礼に敬意を表して覚束ぬ真似事を

しているのを微笑ましいと思う寛容がある場合もある。

けれども逆で、それを許せぬ冒瀆としてまさか殺されはせずともかなりのことを

される恐れだってある。」

これも身につまされます。「型」というのがあって、

こういう場合はこうする…と型が決まっている時、その通りにしていれば

間違わない。でも、暗黙の了解による「型」が無い時、

相手がこちらの行動をどう考えるかについては、常に「危険が伴う」と

思います。

私は思うのですが。せめて、「型」に縛られず互いに相手の行動を

寛容に受け止めましょうよ、という暗黙の了解の「型」を作ってしまった方が、

良いのではないかと。

その方がずっと互いの信頼関係を作りやすくなると思います。

今日、ある週刊誌を読んでいたら、新しくできる道徳の教科書には、

おはようございます、という挨拶をする時には、おじぎをしながら

おはようございます、と言ったり、おはようございますの後におじぎを

するのは正しくない。おじぎをした後に、おはようございます、

というのが正しい挨拶の仕方だ、という記述が載ると

書いてありました。(あれ?逆だったかも…)

本当に本当にバカバカしいと思います。

なんでそんなことをまともな顔をして教えられるんでしょうか。

なにか、すさまじくおかしい…。

…なんてことを考えながら、ここを読みました。

他にもいろいろあるのですが…

「楽だよー、狂っちゃったら。みんなと同じだしね。

狂ってる感覚も無い。正気を保つ努力ももちろん必要ないしね」

「国土軸が歪んぢまったのさ。原因?バカ言ってンじゃないよ。あの光柱の

連打に決まってんだろうが。人の止めるのも聞かないであんなもの

呼び寄せちまって、しかも星が山で不細工な失敗をして、だったら

中止にすればよいものを失敗したのは規模が小さかったからで

規模を大きくすれば必ず成功するのさ、といってそれでやって、

それでも自分が滅びる覚悟でやればよいが、自分らだけは完璧なシェルター

作っておいて、それでやって失敗して、そこでよせばいいものをそのマイナスを

カバーしようとして、逆方向からパワーをあびせれば力が打ち消し合って

雲散霧消するという理論を信じてやったらもっとムチャクチャになったのさ。

そら国土軸も歪むよ」

これを読んでいる時に考えていたのも、原発のことですが、

アホノミックスについても同じ恐ろしさがあります。

「酒を飲むと酔う。酔うと酔うことの意味がわからなくなる。

けれども酔わないと酔うとどうなるかはわからない。

どうすりゃあ、いいのかね、酔えばいいのか、酔わなきゃいいのか。」


「抜け作が人中で人がましく意見を言う。ましてや人を批判する、

なんてことはどのように考えてもあってはならぬことだった。

というとき心に声が谺した。

じゃあ、そのために、というのはつまり自分が抜け作であるために、

一人の男が身を滅ぼすのを黙ってみていてよいのか。それは利己主義ではないのか。

おまえには慈悲の心がないのか。という声である。」

これも身につまされました。

意見を言うのはとても難しい。ろくに知識も無い。勉強不足。見識も無い。

視野も狭い。判断力があるとも思えない。そんな私が意見を言えるのか。

そう思って沈黙します。

沈黙は現状を肯定する行為です。


キング牧師の言葉を思い出します。

悪を仕方ないと受け入れる人は、
悪の一部となる。
悪に抵抗しない人は、
実は悪に協力しているのだ。



「ところが女の人を見てそんなことではない、抜け作とはそんな

外見的なことではなく、人並み以上に凛々しく、人並み以上に美しく、

そんな人が抜け作であるから抜け作の意味があるのであって、

単なるボンクラみたいな人間が抜け作であってもなんらの意味もない。」


抜け作のイメージがイマイチ難しい。わかるようなわからないような。

イエス・キリストがいう、「おさな子」のイメージに近いような。

「もちろんその人は正しいことを言っていて、国土軸の歪みがその

気ちがい染みた事態を現実のものとしている、つまり現実の方が

気ちがいなのだけれども、そのように狂った世界、すなわち邪都において

正しいことを言う人は常に抑圧され、古来から預言者が殺されてきたのと

同じく殺されるのである。」

漢字は難しいのですが、いちいち調べていられないので、

二回目に読むときに、ちゃんと調べよう、と思いながら、

今は引き込まれて読んでいます。