2008年から雑誌「本」に載っていたのを読んでいました。
「まずは私がなぜ、みんなと暮らすようになったのかについてお話しましょうか。
というか、その前に、忘れていました。私の名前を申し上げましょう。
私はスピンクといいます。犬です。プードルです。
私はスピンクという名前で、キューテぃー・セバスチャンと主人・ポチと
美徴さんとたくさんの猫たちと一緒に暮らしているのです。」
町田康の著作では唯一と言っていいほど、まともな(良い子ふうな)
しゃべりの「主人公」。
それが逆にとても新鮮で、ずっと愛読していました。
そのスピンクが27日午後7時30分亡くなってしまったと知って、
また読み返し、写真を見返していました。
子犬だった頃の写真も笑顔で写っていて、とてもかわいい。
あの「ホサナ」を読んでいる時に、イメージしていた「犬」は、
もう大人になったあのスピンクの顔でした。
うちにも猫がいますが、一緒に生きてくれる動物って、
本当に力を与えてくれて、色々なことを教えてくれて、
日々をどれほど豊かにしてくれているだろう、とあらためて思います。
癲癇の持病があったようですが、飼い主のお二人に大切にされて、
しあわせな一生だったネ…と思いました。