読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-12-05から1日間の記事一覧

一下級将校の見た帝国陸軍(最後の戦闘に残る悔い)

「とはいえ食糧を盗奪せねば餓死する。だがジャングル前端付近の二、三家族用と思われる家屋群は、元来、米はほんの家族自給用で、本業はジャングル内の籐を切り出し、これを華僑の集買人に渡して石油・布・塩などの生活必需品と交換していたらしく、納屋の…

一下級将校の見た帝国陸軍(最後の戦闘に残る悔い)

「昭和二十年八月十二日、終戦の三日前、私は軍用地図にあるバラナン部落の東のジャングルにいたはずである。「はずだ」という言い方は妙だが、パラナンは地図にはあっても、それはどの部落がそれか現地で確認できないからである。 当時の比島の地図は、奥地…

一下級将校の見た帝国陸軍(参謀のシナリオと演技の跡)

「荒縄をぶった切り、箱をこじあければ、砲弾と薬筒が出てくる。野砲までは分離薬筒でないから、構造は小銃弾と同じである。従って薬筒の底に起爆薬がついている。それを叩けば爆発する。こんな危険なものの輸送に住民は使えない。 一方、私は、あらゆる人員…