読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-12-09から1日間の記事一覧

一下級将校の見た帝国陸軍(組織と自殺)

「何もない。やはり敵はいない。「フン、またデマか、時間を無駄にさせやがって…」と思った瞬間、焔の少し先の道路にチラチラと動く黒い人影が見える。「オヤッ」と思い、四人が反射的に銃をかまえた瞬間、すぐうしろで「ピーッ」という呼子とも指笛ともつか…

一下級将校の見た帝国陸軍(組織と自殺)

「余りに急激な変転は、現実への実感を失わせる。自分のことが他人事のようにしか思えない。 「こりゃきっと悪夢なのだ、こんなことがあるはずはない。目がさめたら自分の部屋で寝ていたのだ」と感ずる。本当にそう感じたことは、それまでも再三あったが、バ…

一下級将校の見た帝国陸軍(組織と自殺)

「こういう例、「自決という名の明確な他殺」で、糾弾されざる殺人者の名が明らかな例も、決して少なくない。しかし、自己の置かれた位置が、必ずここに至ることを予見し、その屈辱の死を恐怖して、その前に自殺してしまった場合もある。 これが自殺・他殺の…