邵可 「本当はね、どんなことでも、悩みぬいて出した答えに間違っていることは
何もないんだよ。自分の心に反することでも、たとえその結果がどうであってもね。
だが楽な選択は必ず自分に返ってくる。…… 忘れないで。君は今まで
いつだって悩んで答えを出して来た。私はそれを見てきた。
それが誰に否定されても、私だけは君の全てを肯定するよ。」
あぁ 邵可自身がどれほど悩み抜いて答えを出してきたのかが、
しのばれる言葉だなぁと思いました。
自分の心に反すること、という言葉に引っ掛かります。
でも、自分の心自体、本当に二面性があると思います。
この邵可にしても、弟たちを守りたいという心と
大叔母を殺したくなどない、という心の両方とも本心だったと思います。
そうなると、たいていの人はそこで、「選択をしない」という選択をするのでは
ないでしょうか。いわゆる楽な選択。
弟たちを守りたい、なんとか助けてくれ!と王に頼む(絶対に通らないとわかって
いても、一応頼んだという自己満足)そして…
大叔母を殺さない(自分の手は汚さない)。
その結果、王によって弟も自分も大叔母も殺される。
この結果はしょうがなかったんだと。
悪いのは王だと諦める。
確かに手は汚さなかった。でも、何もしようとしなかった自分というのが
居ます。
選択をしない、成り行きに任せる、という選択は一見、罪がないように見えて、
とても卑怯な選択になることがあると思います。
たいていの人は私自身も含めて卑怯な道を選ぶことの方が、
圧倒的に多いと思います。邵可のように強い能力のある人ばかりじゃない。
でも、それが卑怯だと知っているのはとっても大事だと思うのですが。
こんな言葉があるので、この物語、好きです。