面白くて、次の展開がどうなるのかが気になって、
一生懸命に読んで、一応読み終わりました。
ううむ~~~~ 色々なことを想いました。
でも、正直、さっぱりわかりません…(^^;
私は、「世界はこうあって欲しい…」というような価値観のようなものを
常に常に考えてしまうのですが、でもそんなものは、簡単にわかりやすい状態で
あるのではありませんよ、と言われたような気がしています。
ささやかな問題や小さな部分に小さな声で語られているもの…
そこから丁寧に見つけ出したり、聞き分けたりしなければ、
わからないようなことの積み重ねで、大切なものはあるのではないでしょうか、
ということなのでしょうか。
そんな中、ただただ死の恐怖やリアリティだけが、これ以上ないほどに、
大きな声で語られている小説だと感じました。
下りる時には、どこまでも深い井戸の底まで、下りた方が良い、というのも、
比喩なのかもしれないと思いました。
この世界は、この上なく血なまぐさい世界であり、不公正や暴力やインチキが
蔓延る世界だということを、とことん見ることと重なるのかなと思いました。
クミコが抱える宿命のような困難さと今の私たちの国、日本が抱える宿命のような
困難さが重なって見えました。
大切な人であり、その人を失っては生きてゆけないほどに愛している人なのに、
その人は、自分の力や意志だけでは逃れることが出来ない問題をかかえて、
生きている。
その人と一緒にこの先も生きていこうとしているのが、このねじまき鳥さん
なのだというところに、希望を見るのですが、
普通一般的には、自分一人の問題だけでも手に余るのが人間なのに、
ひとの問題まで、一緒に背負うことなど出来ないだろうなぁと感じます。
また、この次には、印象に残った文章の抜書きをメモしたいと思います。