読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神生活 上

「カントが理性の超越論的弁証法の序論で言及した我々の感覚装置の
「自然不可避的な錯覚」というのに、ここでぶつかっているわけである。」


「カントにとっては神は「理性の理想」であり、そういうものとして我々にとって
ある。」


「思考する自我はまったくの活動だけのものだから、年も取らなければ、性別もなく、才能もなければ、人生の物語もない。」


「このように他者によって暗黙のうちに認知されないと、自分にたいして自分を
現象させるやり方にも信頼が置けなくなる。」


「もし、言語が感覚に与えられたもののための言葉を十分に持っているというだけで
なくて、「正義」とか「真理」、「勇気」「神性」などといった日常生活にも
不可欠な思想的な言葉、学術的な言い方でいえば「概念」も我々に提供するもの
でなければ、我々はきっと思考活動のためのあらゆる明確な証拠にも欠くことに
なるだろう。

そうなれば、初期ヴィトゲンシュタインの「言語は我々の組織体の一部だ」という
言葉で結論を述べてもいいことになろう。」