読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日本はなぜ敗れるのか _敗因21か条

「ドイツ人は明確な意図を持ち、その意図を達成するため方法論を探求し、その方法論を現実に移して実行する組織をつくりあげた。たとえ、その意図が狂気に等しく、方法論は人間でなく悪魔が発案したと思われるもので、その組織は冷酷無情な機械に等しかったとはいえ、意図と方法論とそれに基づく組織があったことは否定できない。


一方日本はどうであったか。当時日本を指導していた軍部が、本当は何かを意図していたのか、その意図は一体何だったのか、おそらく誰にもわかるまい。


というのは、日華事変の当初から、明確な意図などは、どこにも存在していなかった。ただ常に、相手に触発されてヒステリカルに反応するという「出たとこ勝負」をくりかえしているにすぎなかった。」


「そしてこのことを非常に大がかりにやったのが、「バシー海峡」であった。ガソリンがないと言えば反射的に技術者を送る。相手がそこへ来ると言えば、これまた反射的にそこへ兵力を持っていく。そして沈められれば沈められるだけ、更に次々と大量に船と兵員を投入して「死へのベルトコンベア」に乗せてしまう。

それはまさに機械的な拡大再生産的繰り返しであり、この際、ひるがえって自らの意図を再確認し、新しい方法論を探求し、それに基づく組織を新たに作りなおそうとはしない。

むしろ逆になり、そういう弱気は許されず、そういうことを言うものは敗北主義者という形になる。」


〇あの「東洋的な見方」をこの場に単純に当てはめて考えるのは良くないのかもしれませんが、どうしても、考えてしまいます。

機心」は良くないと合理的な方法を考えることは間違ってるとされている時、方法論をあれこれ議論するなど出来ないのでは?と想像します。

また、言葉に対する信頼感も、議論することの大前提も「東洋的な見方」からは、その糸口さえ見つけることが出来ません。

言葉などに拘ってはいけない。
しかも、あの「禅問答」を見ると、あれは、話し合いとかコミュニケーションとかいうものではなく、むしろ関係の断絶を意図してるのでは?と思えるようなものです。

人に頼るな、と。自分で答えを見つけよ、と。

でも、そうなると組織的な動きなど出来ません。
言葉に対する信頼感がないところで、話し合いもできない。

それでいて、天上天下唯我独尊。
ひとりひとり、内から湧き上がる己を大事にせよ。


大勢が力を合わせて一つの大きな力にしなければならない局面で、
私たちの国には、どんな考え方があるのだろうと、いつもわからなくなります。