読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

どアホノミクスの断末魔

〇「断末魔の中で大日本帝国会社の足固めを急ぐチーム・アホノミクスについて、我らは今、何がどう解ったか。箇条書き的に確認していこう。」という文章に続いて、
次の箇条書きが、並んでいます。


「・チーム・アホノミクスは今、あまり声高に「アベノミクス」を語れなくなっている。「強い経済を取り戻す」シナリオがどうも上手く取り運ばなくなっているからだ。

・そこで止む無く、彼らは柄にもなく「分配と労働」のテーマに向き合うことにした。だが、柄にないだけあって、もとより、まともな向き合い方にはなっていない。

・あくまでも、アノホミクス流の世界に「分配と労働」を引き込もうとしている。

・彼らは「国策会社大日本帝国」の構築を目指している。

・第日本帝国会社の経営ビジョンは戦後レジームから脱却して世界の真ん中で輝くことにある。さしあたりは、21世紀型広域大東亜共栄圏の形成を目論んでいるとみられる。

大日本帝国会社の経営方針は「統合政府部門による財政と金融の一体運営」にある。この経営方針を確立することで、大日本帝国会社の資金繰りはすっかり安泰になる。

大日本帝国会社の経営ビジョンとの関係でいえば、引きこもり男、ドナルド・トランプの出現は彼らにとって有り難い。拡張主義男であるチーム・アホノミクスの大将は、引きこもり男の登場を大いに歓迎している。

大日本帝国会社の経営方針には、四本の柱がある。それらは「未来社会」「効率社会」「健康社会」「労働社会」である。

・超効率化した未来社会の中で、丈夫で長持ちする管理された健康優良人間たちが、世界の真ん中で輝く国創りのために総活躍する。この状態に向けて、大日本帝国会社の経営計画が実施されて行こうとしている。

大日本帝国会社の経営計画の四本目の柱である「労働社会」の実現マニュアルが「働き方改革実行計画」だ。

・「働き方改革実行計画」の狙いは生産性向上にある。働く者たちのための働き方改革ではない。

・「働き方改革実行計画」の優先課題は「多様で柔軟な」働き方の普及・浸透だ。人々を渡り職人化することで、その労働者としての権利を劣化させようとしている。

ざっとこんなところだ。この一連の企みは、どこにその最も悪質な特徴と問題点があるのか。さらに整理してみよう。」


〇ここに出てくる「渡り職人化」という言葉で、思い出したのは、IT関係で働く人の働き方についてです。

これは、人から聞いた話なのですが、正式な契約をして働いているにも関わらず、いわゆる「福利厚生」がまるで保障されていない、社会保険にも入っていないし、厚生年金にも入ってない、という「働き方」があるそうです。

そんなことをして、企業は労働基準法違反では?と思ったのですが、ある人が、教えてくれました。

結局、その労働する個人を「個人事業主」と見るのだそうです。
企業は、その個人事業主と正式な契約をして働いてもらう。

個人事業主ですから、個人の意思が尊重されます。でも、会社はその人のために社会保険料を半額持つ必要もなく、その他の補償をする必要もありません。

その個人は、労働基準法の保護を全く受けずに働くのです。

一見、「多様で柔軟な」働き方が出来るようになったように見えて、実は、そのような苛酷な働き方しか出来ないところへ、突き落とされています。

この「やり口」は、「下流志向_学ばない子どもたち 働かない若者_」の中にも出て来た、「国策としての誘導」と似てるやり方のように見えます。

「僕が「自己決定フェティシズム」というのは、そういうことです。「自己決定すること」が国策として推奨され、イデオロギーとして子供たちに他律的に注入されているという事態のことです。


「みんな自己決定する時代なんだから、君もみんなと同じように自己決定しなさい」という命令のありようそのものが論理的に破綻していることにふつうなら気がつきそうなはずですけれど、子どもたちは(子供だから)それに気がつかない。


選択を強制されていながら、選択した事の責任は自分でかぶることを強いられている。これはどう考えても不条理です。(略)(下流志向_学ばない子どもたち 働かない若者_)」