「O さて、まず非常にシンプルなことを確認させてください。新約聖書には、最初の方に福音書というのがあって、そこにイエス・キリストがどういう人か、どういうふうに生まれてきて、どういうことをやって、どうやって死んだかということが書かれている。(略)
そうすると、最初に疑問に思う事は、「そもそもイエス・キリストって本当にいたの?」ということですよね。(略)
H 結論から言うと、イエスは実在の人物だと、私は思います。
けれども、そう結論するには、だいぶ手続きが必要です。
まず、「実在の人物」とはどういう意味か。(略)
クロスチェックが出来ないと、実在の人物だったという証明が出来ないことになってしまいます。
にも拘わらず、イエスが実在の人物だった、と私が思うのは、福音書がイエスの言葉を多く伝えているからです。それを読むと、比喩が豊富で、生き生きした印象を受ける。一人の人間がそこにいるという手応え、ありありとした人格の一貫性を感じる。
O ぼくもイエスは実在したと考えています。実際、多くの学者も同意見でしょう。(略)
イエスが生まれ、いろいろなことがあった後に死んで、そして復活したという出来事は、キリスト教の真理の中心です。だからこそ、イエスの存在が歴史的な事実であるかどうかというのはすごく重要なことなんですよね。」