読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ふしぎなキリスト教  第2部 イエス・キリストとは何か 1 「ふしぎ」の核心

「O さて、まず非常にシンプルなことを確認させてください。新約聖書には、最初の方に福音書というのがあって、そこにイエス・キリストがどういう人か、どういうふうに生まれてきて、どういうことをやって、どうやって死んだかということが書かれている。(略)


そうすると、最初に疑問に思う事は、「そもそもイエス・キリストって本当にいたの?」ということですよね。(略)



H 結論から言うと、イエスは実在の人物だと、私は思います。
けれども、そう結論するには、だいぶ手続きが必要です。
まず、「実在の人物」とはどういう意味か。(略)


エスについては、文書記録があります。でもそれは、福音書に限られる。(略)


クロスチェックが出来ないと、実在の人物だったという証明が出来ないことになってしまいます。
にも拘わらず、イエスが実在の人物だった、と私が思うのは、福音書がイエスの言葉を多く伝えているからです。それを読むと、比喩が豊富で、生き生きした印象を受ける。一人の人間がそこにいるという手応え、ありありとした人格の一貫性を感じる。


エスが実在しないのに、福音書の著者たちがよってたかって創作したと考える方が、よっぽど不自然だと思うのです。(略)


O ぼくもイエスは実在したと考えています。実際、多くの学者も同意見でしょう。(略)
キリスト教の信仰とは、イエスについての歴史的な出来事にコミットすることですし、イエスの真理は彼の語ったことの中にのみあるわけではなく、彼が関わった出来事全体の内にある。


エスが生まれ、いろいろなことがあった後に死んで、そして復活したという出来事は、キリスト教の真理の中心です。だからこそ、イエスの存在が歴史的な事実であるかどうかというのはすごく重要なことなんですよね。」