読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

「正義」を考える  生きづらさと向き合う社会学

「第3章 資本/国家/民主主義 物語はなぜ崩壊するのか
さて、ここまでくると、いよいよ問題の所在が見えてきたわけです。どういうことかと言うと、コミュニタリアンは理論的なベースをアリストテレスから借りてきている。そのアリストテレスは、いわば<資本>というものが全く知られていない社会システムを前提にものを考えているんですね。


だから、彼は快の階層性を見ることができなかったのです。それは、われわれの観点からははっきりと見えますが、アリストテレスの立場からは盲点になってしまう。アリストテレスが基準として、意識することなく前提にしていたのは、<資本>という現象が登場する前の社会システムです。


だとすれば、アリストテレスの応援を受けているコミュニタリアンも、<資本>を視野に入れないことによる代償を払わざるを得なくなる。前章で、コミュニタリアンはどこで失敗しているかということを話しました。その結論は、現代社会における物語の機能障害のような現象を、とらえそこねているということでした。」


〇 ここで三点、疑問があります。
1、「現代社会における物語の機能障害」というのは、日本特有のものではないのか?地球規模で、全世界で、物語の機能障害が起っているのか。

2、過去に日本人である私たちは、どのような物語の中にいたのか。

3、アリストテレスの「アクラシア」が資本主義ではない世界では捉えにくいものだった、という説明は納得します。コミュニタリアンはそのアリストテレスをベースにして正義を考えているという説明も納得します。

でも、だからといって、資本主義社会では物語が機能障害になる、という説明がイマイチよくわかりません。