「まず財政債権を!
小林 アベノミクスに対するもう一つの批判は、戦略の順番が間違っているのではないか、ということです。景気が回復すれば財政再建も達成されるというのがアベノミクスですが、実は財政再建が実現しなければ景気も回復しないかも知れない。
橋爪 なるほど。順番が逆。
小林 はい。これはアメリカでは非常に話題になっているテーマですが、日本では不思議なぐらい知られていません。
この論文で彼らは、ある国の公的債務がGDP比で九〇%を超えると経済に悪影響を及ぼし、経済成長は大幅に下がる、と結論付けたのですが、まさに当時のアメリカは九〇%になるかどうかの瀬戸際で、共和党はこの論文を引用しながら、「オバマケアといった、低所得者向けの施策は即刻やめて、小さな政府を目指すべきだ」と主張したのです。これに対して民主党が反論し、大論争へと発展したわけです。
(略)
おそらく経済学者の半数はこの説を支持するはずですが、なぜか日本では話題にもなっていません。
橋爪 ラインハートとロゴフの論文は、納得のいく主張です。(略)
政府が支出を増やし過ぎると経済成長が阻害されるのは、当然だろうと思います。
(略)
小林 しかも、何より日本でそうなる危険性が高い。というのも、長期債務の対GDP比は既に二二〇%で、とっくに九〇%を超しているからです。(略)
(略)
クライシス回避のポイント
3 政府の借金が増えると、かえって経済成長ができなくなる。財政再建を後回しにするのは、最悪の選択である。」
でも、そこを改革するのは至難の業なので、増税というしかないのかな、と思いました。
公務員改革を官僚に求める → 何もしない → 財政破綻
という筋書きにしかならない。
という筋書きを願っているのだと思いました。