読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ジャパン・クライシス

ジャパン・クライシス

「あとがき 日本の財政が悪化している、ということは誰でも知っています。このまま財政再建ができず、「財政破綻」のような事態になると、国民生活はどうなるのでしょうか。本書では、かなり踏み込んだ予想を大胆に議論しました。正直に言って、現在の経済学…

ジャパン・クライシス

「自己統治への道 小林 これからの日本にとっても、自治の回復はきわめて重要な課題です。日本の民主主義はこれまで「上からの民主主義」でした。政府と国民の関係を考えても、政府と言う「お上」の意向が優先されてきた。 江戸時代以降の日本人は、自分たち…

ジャパン・クライシス

「「逆植民地」計画 橋爪 財政再建に役立つ政策として、ほかに何がありますか。 小林 二つあります。一つは移民についてです。若い移民が入ってくれば、労働力として日本の社会に貢献し、また、所得税や消費税も支払ってくれるので税収が増え、財政状況の改…

ジャパン・クライシス

「「選択と集中」という国土設計 橋爪 従来の発想で従来の政策を続けると、財政が破綻して、日本が持たない。この観点から政策を点検すると、どんな課題が見えて来ますか。 小林 いくつかの分野に分けて考えてみましょう。 まず、地域開発の問題を考えてみた…

ジャパン・クライシス

「財政再建の条件とは? 橋爪 ここまでの議論をまとめてみましょう。 われわれはタイタニック号に乗っているようなもので、このままだと氷山に衝突して沈没してしまう。でも、うまく舵を切ればまだ間に合う。そう簡単ではありません。でも、やるしかない。 …

ジャパン・クライシス

「財政版「中央銀行」 橋爪 さて、消費税率三五%の、本筋に戻りましょう。 本書の提案を進めるには、消費税率三五%を、最低でも五〇年間は維持しなくてはなりません。それには政府が政権交代にもかかわらずに一貫した姿勢をもち、世代を超えて、国民の共通…

ジャパン・クライシス

「資産と負担 橋爪 「一律給付」が原則の、日本の医療保険や年金制度は不合理だというご指摘がありました。では、どうすればいいのか、教えてください。 小林 高齢者の場合、大半が、仕事を辞めていますから、所得額でその人の豊かさを測るのは合理的ではあ…

ジャパン・クライシス(3 まだ間に合う!)

〇 と言っても、この本が出されたのは、2014年です。今はまた事情が違っていると思います。 「年金改革の基本軸 橋爪 さて、とは言っても、三五%の消費税は重い。小林先生は、歳出を徹底的に見直して、カットするいっぽう、消費税も少しだけ軽めに増税…

ジャパン・クライシス

「あきらめる前に 小林 しかしそのいっぽうで、「ハイパーインフレは一瞬で終わって経済もすぐ復活するので、消費税増税よりもはるかに望ましい」と主張する人たちも結構いるのです。 橋爪 どこにいるんですか!?見つけ次第、ぶん殴ってやります。 小林 意…

ジャパン・クライシス

「ハイパーインフレのおぞましさ 小林 ここまで、財政状況を改善するには、消費税率を三五%まで引き上げることが必要という話をしてきました。 次に議論すべきは、こうした政策を行った方が、ハイパーインフレになるよりもはるかに望ましい、ということです…

ジャパン・クライシス

「増税で安心が返ってくる 橋爪 消費税率が三五%になると、特定業界がダメージを被るかもしれず、低所得者の負担も大きいのですね。それ以外には? 小林 問題点ではありませんが、大切なことが一つあります。消費税率が今より三〇%引き上げられれば、生活…

ジャパン・クライシス(2 消費税三五%への道)

「負担を覚悟する 橋爪 ここまでで、アベノミクスが夢まぼろしであることが、よくわかりました。では、われわれがいま、なすべきことは何でしょうか。 小林 言うまでもなく、財政再建です。 日本の国家予算を見れば、どれくらい財政状況を改善しなければなら…

ジャパンクライシス

「まず財政債権を! 小林 アベノミクスに対するもう一つの批判は、戦略の順番が間違っているのではないか、ということです。景気が回復すれば財政再建も達成されるというのがアベノミクスですが、実は財政再建が実現しなければ景気も回復しないかも知れない…

ジャパンクライシス

「アベノミクスに「出口」はない 橋爪 安倍政権が進めているアベノミクスは、単なる時間稼ぎで、問題を悪化させているだけなのか。それとも、事態の改善に、多少は役立っているのでしょうか。 小林 稼いだ時間を有効利用できれば、時間稼ぎは「良いこと」で…

ジャパンクライシス (第Ⅲ部 破局回避のための改革プラン)

「1アベノミクスを検証する 真実を語らない専門家 橋爪 私たち日本人に残された時間はわずかだ、ということが、第Ⅰ部、第Ⅱ部の議論ではっきりしました。 洗礼者ヨハネは言いました。(悔い改めよ。……斧はもう木の根元に置かれている。良い実を結ばない木は…

ジャパン・クライシス

「未熟な政府と日本人 小林 ハイパーインフレが起きてしまったら、日本人は自分で自分のことを支えられない国民だということを自覚せざるをえません。しかもそれを世界中にさらすことになる。 橋爪 明らかな不合理を、誰も是正できなかった、ということです…

ジャパン・クライシス

「死屍累々 小林 インフレが酷くなっていく間は「どこまで奈落が続くのだろう」と思うでしょうね。しかし、景気が一反底を打てば、環境は激変するはずです。中小企業の新規開業が相当増えてくる。 橋爪 遊休施設だらけなので、何でもできる。それまで築いた…

ジャパン・クライシス

「三等国へ転落 小林 おっしゃるように、貧困に陥った高齢者には立ち直る余地がありません。 橋爪 資産が全部、吹っ飛んでしまうわけでしょう。しかも、うまく立ち回って得する小金持ちとか、インフレに付け込んで大儲けする人も、必ず出てきます。社会的不…

ジャパン・クライシス

「コスト度外視のバラマキ財政 橋爪 日本政府のやっていることは、合法です。犯罪的ではあっても、犯罪ではありません。犯罪ではないから、その刑事責任を追及することはできない。 でも、政治的な責任は、あります。憲法二九条が定めるように、政府は、国民…

ジャパン・クライシス

「4 死屍累々 scene 4 新円切り替えを境に、ハイパーインフレは収まった。 政府の歳出削減、消費税三五%への増税は、年度途中で即実行された。IMFとの約束が錦の御旗となって、与野党とも抵抗のすべがなかった。 濃尾梨彦首相は、辞職した。病気が理由だが…

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「改革は痛みをともなう 小林 地方をどうするかは大問題です。日本は二〇〇五年に、人口の自然減を初めて経験しましたが、人口が増え続けていた時代には「国土の均衡ある発展」が国是となっていた。どの県にも空港や高速道路があることが目指されていたわけ…

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「リバースモーゲージ 橋爪 政府負担を減らすと、資産はあっても所得のない人(高齢者が多い)がとても困ってしまう。そこで、日本もアメリカのように、リバースボーゲージをどしどし導入するといいのではないでしょうか。これは、自宅を持っているものの、…

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「人命が第一 橋爪 このような緊急時には、政策の優先順位をきちんと示すことが大事です。 まず第一に、人命尊重。なにしろ、精神的なストレスが相当なものになる。今でも自殺者が年間、三万人ほどもいるわけですが、それが一〇万人になってもおかしくない。…

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「真面目な生活者ほど大損する 橋爪 でもね、小林先生。よーく考えるとそこには、大きな違いがありますよ。 財政再建なら毎年計画的に、時間をかけて税金を払い続けるので、まだ我慢のしようもある。ハイパーインフレは、死ぬほどの激痛をともなう。これが第…

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「一人当たり一〇〇〇万円消える 橋爪 インフレが悪化する前に金融破綻が生じた場合も、金融機関に公的資金を注入しなければならないので、通貨供給量は増加しますよね。 小林 確実に増えますね。 橋爪 金融破綻/通貨の過剰供給/ハイパーインフレ。この三つ…

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「ハイパーインフレが鎌首をもたげる 橋爪 でも、そのおかげで、インフレが急速に進むわけですよね。そうすると、この先もっとインフレになりそうだという予測が生まれて、人々の行動が、それを見越したものになっていくと思うんです。 たとえば、一九二三年…

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〇 151ページから174ページの「2 ハイパーインフレ、始まる」をそっくり飛ばしてしまいました(>_<)。 「2 ハイパーインフレ、始まる scene2 (略) 桜の咲く季節を過ぎても、今年は肌寒い。就職内定の取り消しが相次いだが、ニュースにもならない。…

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「下り坂のあとは上り坂 小林 他方で、賃金が一〇分の一に下落することで、人件費の安い中国と張り合える状態になっています。 橋爪 そうなんです!生産設備は無傷で残っていますし、技術力も高い。コストがかかるのは原材料費だけで、それをうまく加工して…

ジャパン・クライシス

「IMF管理で鎮静化? 橋爪 新円を発行するなら、その発行管理権は日本政府に与えず、たとえばIMF(国債通貨基金)が持つべきではないでしょうか。さんざん紙幣を印刷しまくったからこうなったわけで、新円でも同じことをやれば、元の木阿弥です。 小林 IMFか…

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「新円切り替えと社会保険制度のリセット 橋爪 scene3は、ハイパーインフレが始まってからしばらく時間が経過し、日本経済が焼け野原になっている状況を描いています。 ハイパーインフレで、貨幣価値は一〇分の一まで下落。事態を改善すべく、通過の供給量…