読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ジャパン・クライシス

ジャパン・クライシス

〇 ※本来ここには、「2 ハイパーインフレ、始まる」が続くはずでした。 間違えて、そっくり飛ばしてしまいました。 こちらにメモします。 「3 焼け野原 scene3 (略) 海外ニュースは、日本の経済危機が憂慮されている、と報じている。 ……日本銀行はこれ以…

ジャパン・クライシス

「銀行が国有化されるとき 橋爪 そうした場合、銀行にはどういう対処法があるのでしょうか。 小林 まず、貸し出しを減らし、融資したお金を返してもらうということですね。そのお金で預金者に預金を返済します。(略) 橋爪 たしかに改善すると思いますが、…

ジャパン・クライシス

「銀行の安全装置とは? 橋爪 銀行の企業会計についてうかがいます。 債権の価格はつねに上下しています。銀行はそうした変化を毎日計算し、帳簿をつけ直しているわけではありませんよね。だとすると、「この債券は価格が下がったからまずい」という判断は、…

ジャパン・クライシス

「国債金利の上昇で銀行はどうなる? 橋爪 国債の金利が上がると、一番困るのはどういうことですか。 小林 国債の金利は、企業や個人の借入金利に連動していますから、中小企業の資金繰りにもすぐ影響が出ます。個人の場合も、たとえば変動金利型の住宅ロー…

ジャパン・クライシス

「米中は日本の危機にどう対応するか? 橋爪 日本円を買い支えるには、政府が保有するアメリカ国債を売却する必要があるんじゃないでしょうか。 小林 その通りです。 橋爪 しかしそうなると、アメリカ政府はドル売りはともかく、アメリカ国債を売るなんてと…

ジャパン・クライシス

「トリプル安へ 橋爪 再建市場がこういう状況になるとして、株式市場はどうなるんでしょうか。 教科書にどう書いてあるかというと、国債が売りに出されて値下がりすれば、資金が株式の方へ移動し、株が値上がりする。 小林 国債価格も株価も、両方下がってし…

ジャパン・クライシス

「危険な「二・二・二」 橋爪 日銀券をいくら発行するかという、日銀券の発行残高は、だいたい決まっているのでしょうか。ま、経済の実需に応じて、多少変動するにせよ。 小林 はい。今は八〇兆円から一〇〇兆円です。日銀はそれを、二〇一五年までに二倍に…

ジャパン・クライシス (第二部 最悪のシナリオ 1 暗雲)

「scene 1 (略) あの日が分かれ道だった、と今仁求留造はいまになって思う。 市場は、日本政府が財政再建に向けてどんな手を打つか、注目していた。しかし、日本政府は、動きが鈍かった。 年が明けると、円安を見越した投機や、日本国債売りが強まった。日…

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「「財政敗戦」へのカウントダウン 橋爪 戦前の日本には「必勝の精神」があって、敗戦のことなど考えるだけでもいけなかった。でも実際には、戦争して敗れてしまいました。戦後になって、日本の国策は「経済大国」に変わりました。でも、そこでもまた、「敗…

ジャパン・クライシス

「日本の国債は「重力に反している」 橋爪 日本の金融機関が当初、国債を購入した理由を考えると、当時は金利も五~六%とリーズナブルで、元金も保証されているという、絶対に損をしない投資先だったからです。 ところが金利が下がっていき、今や国債を保有…

ジャパン・クライシス

「銀行や証券会社が国債を買い続ける理由 橋爪 さて、本章の最後に、改めて国債のデフォルトについてお聞きしたい。 なぜ国債が買われているのかということですが、昔は銀行のシンジケートのようなものがあって、「あんたの銀行は、これぐらい買って欲しい」…

ジャパン・クライシス

「国債増発の臨界点 小林 国債が着実に償還されて行っていく状況なら、国債の売り圧力は強くならないので、市場で大きな混乱は起きないのです。しかし、今の日本では国債がどんどん増発されている。これがインフレ高騰のジェット・コースターを引き起こす根…

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「良いインフレと悪いインフレ 橋爪 日銀券が増えれば、景気が少しは良くなりますか。 小林 いま景気を押し上げているのは、マイルドなインフレ期待と円安です。これが種々の作用を及ぼして、景気を上向かせたとは言えるでしょうね。 日銀や内閣府は企業や個…

ジャパン・クライシス

「歳出面の慢性疾患とは 橋爪 もう一度、国家財政の話に戻りましょう。 先ほどは、歳入面での慢性疾患についてお聞きしました。では、歳出面についてお聞きすれば、国の歳出で慢性疾患と言える部分はどこですか。 小林 社会保障関係費と地方交付税交付金です…

ジャパン・クライシス

「国も地方も税収不足 橋爪 じゃあ、気を取り直して、歳入と歳出の関係についてお聞きします。 一般会計もひどいことになっていて、九七兆円の予算に対して、歳入はなんと、その半分弱しかありません。税収の足りない分は、国債によって賄われている。しかも…

ジャパン・クライシス(3 「財政敗戦」へのカウントダウン)

「国家予算のからくり 橋爪 ではつぎに、日本の財政についてお尋ねします。 国の財政には、歳入と歳出がありますね。また会計には、一般会計と特別会計の二つがあります。これらを合わせれば、財政のお金の出入りの全体になるわけですね。 小林 はい。 橋爪 …

ジャパン・クライシス

「真っ先に国債を売るのは誰か? 橋爪 では次に、一般企業の話に移りたいと思います。 少額ながらも、企業も、国債を保有しているはずです。そこでお尋ねしたいのですが、一般企業の金融資産の中身は、どのようになっているのでしょうか。 小林 企業が保有す…

ジャパン・クライシス

「銀行が国債を大量保有する理由 橋爪 つぎに民間銀行についてお尋ねします。 民間銀行の業務は、元手となる資金がなければ、できません。銀行は、主に預金というかたちで資金を集め、その資金を現金で保有したり、企業に貸し出したり、債権に投資したりしま…

ジャパン・クライシス

「「隠れ負債」はトータルで七〇〇兆円! 橋爪 国債の発行残高が、GDPの二二〇%にも相当するということが、どんなに怖いことかよくわかりました。 そこでつぎに、政府の「隠れ負債」についてうかがいます。 小林先生の本(小黒一正、小林慶一郎「日本破綻を…

ジャパン・クライシス(2 日本の借金を解剖する!)

「債務残高はGDPの二二〇% 橋爪 国債についての私の初歩的な疑問は、あらかたお尋ねしました。 そこで次に、そもそも国が責任をもっている借金には、国債のほかに、どのようなものがあるか聞きたいと思います。 日本の場合、地方自治体も、債券を発行するこ…

ジャパン・クライシス

「誰が国債を買っているのか 橋爪 国債の買い手としては、銀行や証券会社といった、機関投資家がいるわけですが、それ以外の企業や個人も自由に買えるものなのでしょうか。 小林 いえ、政府から直接、国債を購入できるのは証券会社や銀行などの金融機関に限…

ジャパン・クライシス (1 一億三〇〇〇万人のための基礎知識)

「橋爪 今日本経済は、いつ心筋梗塞で突然死してもおかしくない、成人病のかたまり状態だと私は思っています。そこでまず、第一部ではその病状を診断したい。血圧や中性脂肪や悪玉コレステロールや体重や心電図や動脈硬化の進み具合や……で、心筋梗塞がどれく…

ジャパン・クライシス まえがき

〇 橋爪大三郎・小林慶一郎著 「ジャパン・クライシス _ハイパーインフレがこの国を滅ぼす」(1914年発行) を読み始めました。浜矩子さんの「どアホノミクスの断末魔」を読み、「白い地下経済」が提案されているのを知っても、具体的に何がどう起こる…