読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 上

「存在の肯定はプラトンの驚異における賞賛の要素に明らかに対応するものであるが、
無の深淵を言葉なくめまいにみまわれながらのぞき込むことから人間の理性を救うためには、創造主たる神への信仰が必要である。

このような信仰が徹底的に退けられ、人間の理性がもはや自分の能力以外にまったく何も持ち合わせていない状況に陥ってしまうと、思考の「究極の問い」に何が起こるかということをサルトルの「嘔吐」の中に見てとることができる。」


ハイデガーによれば、to think (考えること)と  to thank(感謝すること)は
同じである。」


「現在の我々の関心事はイデア論ではなく、イデアという考えがプラトンに生じたのは美しいもののせいであって、せいぜい「つまらなくて値打ちのないもの」だけに囲まれていたらけっして生じなかっただろうということをどの程度まで証明できるかと
いうことなのである。」

「こういう役割に最もふさわしいと考えられるのは、自分自身が多数派にも少数派にも属さないと考えている人間であり(これは少なくともピタゴラスにまで遡る区別である)、他人を支配しようとする気のない人間であり、自分には智慧があるので権力者からの質問に答えるにふさわしいなどという考えを持つこともない人間である。

かといって、ふがいなく権力者に屈服するような人間でもだめである。」