読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 下

「以上のことから我々はなじみの領域へと立ち戻ることになるのだが、それがはっきりするのは、この無秩序が「悲劇的」で人間責任を持つことのできないことである、という点を我々が理解した時である。」



「(いずれの定式化も、ついでに言えば、ドイツ人読者にとっては、ゲーテの”行為するものは常に罪深い”と”人間は努力するかぎり誤りを犯す”という文句を不思議に思い起こさせる。)」


「これらの明白な自己省察に、我々はアナクシマンドロス論から次の文章を付け加えてもよいだろう。「あらゆる思索者は存在の呼びかけをあてにしている。この呼びかけをどれほどあてにしているかによって、人を惑わす影響からの自由の程度が決定される」。_これによってハイデガーが考えているのは、誤りを犯す人々によって引き起こされる日々の実際の出来事なのである。」



「(略)創世の「秩序」そのものに対する意図的な反乱としての自己保存の本能(これはすべての生物に共通であるが)についてのハイデガーの批判は、思想史の中で極めて稀なので、私の知っている唯一の類似した言説、つまり”一と全”という表題での1821年に書かれたゲーテの詩のあまりよく知られていない三行を引用したい。


 永遠なるものはすべての中で働いている

 というのも一切は無へと落ちていかねばならないからである、

 もしそれが存在の中で存続しようとするならば。    」


〇まるで何も理解できないのになぜこんな本を読むのかと自分でも思います。
でも、多分私はこんなふうに「考える世界」が好きなんだと思います。

下手の横好きという言葉がありますが、きちんと理解できなくても、少なくとも好きなんだと思います。

真理とか正義とか意味とかそういうものがある世界が欲しくてたまらないのだと思います。

希望が見いだせる言葉を読みたいのだと思います。