〇 トリイ・ヘイデン著 「シーラという子 _虐待されたある少女の物語_」を読んでいます。
日本的なものについての本は、これからも読み続けると思いますが、
どうしても気持ちが暗くなります。
読めば読むほど、問題が深くて、簡単には良い方向に行きそうもない気持ちに
なってしまうからです。
でも、これからも読み続けます。考え続けます。祈り続けます。
気分を変えて、これもかなり前に読んだ、「シーラという子」を読み始めました。翻訳された本が読みやすいのは、訳者さんが、読みやすい日本語に訳してくれているからだと思います。
むずかしい言葉が出てくる小説は、私には読めないので、読みやすくて
本当に助かります。
この本は、衝撃を受けました。あの「一緒にいてもひとり」を読んだ時も感じたのですが、「こんな人がいるんだ~」という驚きです。
このトリイ・ヘイデンさんは、実在の人物です。これは、現実に起こったことです。
そこが、すごいと思います。
図書館に返し手元になくなってからも、何度もこの本のことを考えました。
そして、何年も経った時、古本屋にメチャメチャ安く置かれていたので、
つい買ってしまいました。
とはいえ、中を開いてはいませんでした。
内容をほとんど忘れているので、またしっかり読み直してみたいと思います。
自分の感想は〇で、本からの抜き書きは「 」で、書きます。
「私は気づくべきだった。
新聞の六面の漫画の下にほんの数節書かれただけの小さな記事は、近所の子供を誘拐した六歳の女の子の話を伝えていた。十一月の寒い夕方に、女の子は三歳の男の子を連れだし、その子を近所の植林地の木にしばりつけて火をつけたというのだ。
男の子は現在地元の病院に入院中で重体だという。
女の子は身柄を拘束された。」
「自分の受け持ちのクラスに、こんな経歴のある六歳の子供を入れたいと思うような教師などいないということに、私は気づくべきだったのだ。」
「そんなわけで熟練を必要としない仕事はふつう社会福祉事業にリストアップされている失業者に当てられることになっていた。
私としては私の助手という仕事が熟練を必要としないとは考えていなかったが、福祉課のほうではそう考えているようで、学校の初日、私はひょろっと背の高い、英語よりはスペイン語のほうをよく話すメキシコ系アメリカ人と対面することになった。
彼、アントンは二十九歳で、高校も卒業していなかった。いや、子ども相手の仕事をしたことはないな、と彼は認めた。
いや、特別そういう仕事をしたいと思ったこともなかったよ。だけど、与えられた仕事を受けないと、給付金をもらえなくなるんだよ、と彼は説明した。」