読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

小林慶一郎

財政破綻後 危機のシナリオ分析

「4 新しい社会契約論の可能性について 世代間協調問題を解決するため、将来世代の利益を代表する行政機関などの組織すなわち「仮想将来世代」を創設すべきだという提案が増えている。本節では、仮想将来世代の創設を政治思想として正当化することを、 ロー…

財政破綻後 危機のシナリオ分析

「ロールズの原初状態では、人々は自分がどのような境遇に生まれつくか知らないが、もしそれが確立分析もわからないほどのナイトの不確実性ならば、原初状態の人々の社会契約は(ナイトの不確実性を嫌う)合理的個人の功利的な選択と一致する。すなわち、ロ…

財政破綻後 危機のシナリオ分析

「◎ロールズ「正議論」とナイトの不確実性 ロールズの「正議論」は20世紀後半のリベラルなアメリカ民主主義の思想を、社会契約論の枠組みで基礎付け直した理論である。「現代アメリカにおいて政治哲学を再生させた」(宇野重規「政治哲学的考察」)とも評さ…

財政破綻後 危機のシナリオ分析

「2 政府債務の累積は経済成長を阻害する 本節では、「経済成長を先に実現し、財政再建は後にする」という、これまで30年間続いた日本の経済政策の基本哲学を批判的に検討する。まず、きわめて稀に起きる大惨事が平時の経済を悪化させるという経済理論(…

財政破綻後 危機のシナリオ分析

〇小林慶一郎編著 「財政破綻後 危機のシナリオ分析」を読みました。 「編著」とあるように、著者はその他に、小黒一正・小林康平・佐藤主光・松山幸弘・ 森田朗の五名で、第一章から第五章までを執筆しています。 第1章 人口減少時代の政策決定 第2章 財…