璃桜 「蝗害は放っておけば自然に終息する。そう、十年も経てばね。
十年なんてあっというまだよ。そう心配することもない。
人口が半分減るだけだ。それだって別にお前のせいじゃない。」
優しいだけじゃ政事は出来ない、という言葉が何度か出てきたけれど、
この璃桜の言葉は、事実だと思います。
私は最近、私たちの国のほとんどの人々は、
このように考えているのではないか、と感じています。
何故なら、私自身も心の奥底で、そんな風に考えてしまっているような
気がするからです。
何故なんだろう。何故こんなにも心が冷たいんだろう。
どんな災害も、例えそれがどれほど酷い人災であろうと、結局はいつか終息する。
人々は忘れ去る。
いや、終息させなきゃならないし、忘れ去らなければならない。
「そんなこと」よりも、経済や社会の安定の方が大事だと。
「美しい国」と言った人がいたけれど、そんな考え方をする心根は醜いと思う。
本気で、今自分のすぐ隣で泣き叫んで苦しんでいる人に寄り添おうとする、
秀麗のような人は、この私たちの国にどれだけいるのだろうと思います。