読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

紫闇の玉座

「理性こそが強者の証。だが無力な人間は小鳥と同じく殺し合うまで戦う。…

 (略)…いまだ人間は烏以下の弱さと知能じゃ。」

烏は仲間の目玉だけはつつかない。だが小鳥同士を籠に放り込めば、

血だらけで殺し合う。

そんな話は知りませんでした。

でも、ゴミステーションを荒らす烏、どうにも出来ない我ら人間。

烏以下の知能だなぁと思ったことは何度もあります。


「これは人が掛け合わせてつくった桜だ。より美しい桜を求めて。

その代償に、この木は花を咲かせても種子がつくれない。

次代に何も残せない。…(略)…狂ったような美しさだ。それを知らず人は

褒めそやし、愛で、春が過ぎれば忘れ去る。人間らしい身勝手な愛情だな。」

これは、ソメイヨシノの話ですよね。

ヤマザクラしか咲かない所で育った私から見ると、ソメイヨシノ

咲き連なる光景ほど美しいものはないと思いました。

知らずに褒めそやしていました(^^;。

そう言われると、確かに不自然な在り方ではあります。

そんな風には考えたこともなかったです。

「霄大師は紫劉輝に初めに手を出しただけで、あとはただ黙って

どう転がるか眺めている。」

旺季は蒼家の唯一の生き残り。

王位継承者としては、劉輝よりもより正統性が高い。

そうなってくると、劉輝が王である根拠のようなものまで、

ぐらついてきます。

それでも、何故劉輝が王を続けるのか…。もともと好きで王になったわけじゃない。

でも、そんな風にグラつくようでは、王たる資格はない。

…ってことなんでしょうか。


瑠花 「帰るべき時も、正しいと思う道も、自分で決めよ。

誰を言い訳にすることもなく。そなたの父の璃桜でさえ、それだけはしてきた。

それができぬ限り、口だけの子供のままと知れ」


「渋々でも何でも、命令されればそれが言い訳になった。」

この指摘は鋭いなぁと思います。


そして、これが出来るほど大人な人間が、この社会に何割くらい居るのだろうと

考えちゃいます。自分も含めて。


あと、魂を運ぶ渡り蝶の話も感動的でした。

劉志美 「…そのためには僕ら大人が、ぎりぎりまで体張って飛び続けないと…」

「…さあ、僕も行こう。最悪よりマシなだけの世界さえ守れなくてどうするよ。」


今の疑問は、荀彧。

「荀彧が?いや、逆だよ。そんな男だったら、今頃とっくに中央に帰ってる。

それだけの男だよ。僕と違ってさ。逆だからあいつはかわいそうだよ。」

う~~ん。これってどういうことなのか。

話のカラクリが複雑すぎて、私の知能ではついてゆけない所がありますが、

ここに来て、益々面白くなってきています。

すごいなぁと感心しちゃいます。