読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

私は女性にしか期待しない

「Ⅴ デモクラシーへの道
「コモン・センス」
1776年、まだイギリスの植民地だったアメリカで、「コモン・センス」というパンフレットが出版されました。著者は一イギリス人としか書いてありません。


驚いたことに、この本は3か月間に12万部、総計50万部が売れました。当時アメリカの人口は250万人でしたから、字の読める人の全部が読んだといっていいでしょう。


その頃のアメリカは、イギリスの国王と議会が支配し、貿易を制限するし、軍隊を送り込むし、役人を増やすし、それらの費用を負担させるしで、生活が成り立たなくなっていました。



急進派は本国のイギリスと縁を切ろうと言い、穏健派は自分たちは威儀しる国民だから、もう一度国王にお願いしてみようと言って、意見が一致しませんでした。
「コモン・センス」は、そのとき、
「われらは臣民であることをやめさえすればいい。アメリカが独立国になれば、国王と対等の立場でものがいえる」
と言ったのでした。



「イギリス人という匿名の筆者は、まもなくトーマス・ペインという2年ほど前に、アメリカに流れて来た、一文無しのコルセット工であることがわかりました。彼は教育らしい教育もうけず、職を転々と変え、ロンドンのスラム街で食うや食わずでいたのでした。



アメリカには、まだ政府はありません。しかし社会はありました。「ヨーロッパの各地方で、市民的・宗教的自由を守って迫害された人々のための避難所」である新大陸に、人々は社会をつくっていました。


そこでは特権を持った人間がいなくて、みんなが平等でした。社会は愛情でつながり、めいめいが幸福を求めて生きていました。
こういう社会に不幸がやって来たのは、イギリスの国王の不当な支配からです。それでペインは、国王の存在は自然と神の摂理に反するもので、社会には有害だと説いたのです。



「王は特権者で人民の生活から離れていて世間を知らないから、政治のことがわかるはずはない。王のはじまりは、行動力のあるギャングの親玉だ。王家が世襲制になって困るのは人民だ。無能な人間が王になり、年少者が王になって周りから利用され、王位を誰が継ぐかの争いに人民がまきこまれる」



「コモン・センス」がでたためとは言えないでしょうが、数か月後「独立宣言」がでました。
やがて共和制の政治が、平等な人々のいる社会からつくり出されるのですが、「コモン・センス」は特権はごめんだという考えを吹き込んだといえます。デモクラシーは王様はいらないということから、出発したのでした。」


〇一文無しで、食うや食わずの人間だから言えることがあった、とも言えるけれど、そんな無名な人が書いたパンフレットが3か月間に12万部、総計50万部売れたというのが、すごいと思います。時代なのか、アメリカという場所なのか。

私などは、何か裏に隠れているものがありそうだ…と考えてしまいます(^-^;
シンプルに信じないこういう気質が、様々なすてきな物語をぶち壊すんだろうなぁ、と思います。