「蜜月メディアへの出演
首相が登場するメディアを自ら”選別”するのも、第二次政権の大きな特徴だ。(略)
安倍主張と蜜月関係を続ける読売新聞、産経新聞の別格二社に続き、年明けに、東京新聞(一月九日)、日経新聞(一月一〇日)が単独インタビューを実施した。父・安倍晋太郎氏が在籍した毎日新聞も一月二五日にインタビューを行なった。この時点で、全国紙で唯一単独インタビューがなかったのが朝日新聞である。
「選択」二〇一三年五月号の「安倍とメディアの醜悪な「蜜月」 官邸にひれふす新聞・テレビ」では、「(二〇一三年)二月七日夜、帝国ホテル内の中国料理店「北京」で木村伊量朝日新聞社長(当時)は安倍首相と会食に臨んだ。この場が事実上の「手打ち式」となり、二週間近く経過した同月二十日にようやく単独インタビューが実現した。
ここで、安倍首相とメディアとの「蜜月」関係が完成したともいえるだろう」と解説されている。
一方、テレビの世界でも、それまでNHKと民放が持ち回りで担当していた「総理と語る」がなくなった。首相サイドの意思で登場する媒体(局)を決めるようになったのだ。
二〇一五年に安倍首相が出演したテレビ局と番組を、放送順でみて行こう。
:一月一四日 関西テレビ「スーパーニュースアンカー」
・二月一六日 日本テレビ「成功の遺伝史2~日本が世界に誇る30人」(収録は
二月七日)
・四月二〇日 BSフジ「プライムニュース」
・七月二〇日 フジテレビ「みんなのニュース」
・七月二一日 BS日テレ「深層NEWS」
・八月一四日 NHK「ニュースウオッチ9」
・九月四日 読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」
・九月六日 読売テレビ「そこまで言って委員会NP](収録は九月四日)
八月一四日のNHK「ニュースウオッチ9」は、戦後七〇年談話についてのキャスター二人の質問が予定調和で、インタビューの醍醐味である回答への再質問は皆無。ほとんどPR番組であった。
また、九月四日の読売テレビ出演は物議をかもした。安保関連法案の採決の為、戦後最大の通常国会の会期延長を実施しておきながら、答弁が予定されていなかったとはいえ、国会開会中にわざわざ大阪まで出かけて、情報番組とバラエティ番組に出演したのだ。」