読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

サピエンス全史 下

「第二十章 超ホモ・サピエンスの時代へ  自然選択はホモ・サピエンスに、他のどの生き物よりもはるかに広い活動領域を与えたかもしれないが、これまでその領域にもやはり限度があった。サピエンスは、どれだけ努力しようと、どれだけ達成しようと、生物学的に定められた限界を突破できないというのが、これまで暗黙の了解だった。

だが21世紀の幕が開いた今、これはもはや真実ではない。ホモ・サピエンスはそうした限界を越えつつある。」


ダーウィンの理論が素晴らしいのは、キリンの首が長くなった理由を説明するにあたって、知的設計者の存在を想定する必要がない点だ。何十億年もの間、知的設計などという選択肢は存在しなかった。

なぜなら、ものを設計できるだけの知性が存在しなかったからだ。」


「本書の執筆の時点で、知的設計は以下の三つのどの形でも自然選択に取って代わりうる。すなわち、生物工学、サイボーグ工学(サイボーグとは、有機的器官と非有機的器官を組み合わせた生き物のこと)、非有機的生命工学だ。」


「<マウスとヒトの合成>  たとえば私たちは今日、人間の男性を去勢するだけでなく、外科的手段とホルモンを使った処置で性転換することもできる。だが、それだけではない。1996年に上の写真が新聞やテレビに登場した後に沸き起こった驚きと嫌悪と不安を考えてほしい。」

〇 この言葉の上に図45として、写真があり、以下の説明があります。

「科学者が牛の軟骨細胞から作った「耳」を背中に生やしたマウス。 シュターデル洞窟のライオン人間像の不気味な模倣と言える。3万年前、人類は異なる種を組み合わせることをすでに夢見ていた。今日、私たちはそのような複合生物を実際に生み出せる。」



「だからこそ、倫理、政治、イデオロギー上の問題が多数発生しているのだ。しかも、人類が神の役割を強奪するのに異を唱えるのは、敬虔な一神教信者ばかりではない。

多くの根っからの無神論者も、科学者が自然に取って代わるという発想に衝撃を受けている。(略)

人権擁護運動家は、超人を生み出して人間たちを奴隷にするのに遺伝子工学が使われることを恐れる。現代の悲観的な預言者たちは、恐れを知らない兵士や従順な労働者のクローンを作る独裁政権の出現という、悲惨な事態が起こる展望を提示する。」

〇ここを読んで、あの「ひょっとこ」を思い浮かべました。