読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

光降る碧の大地

「嘲笑うような三日月を見上げたその双眸に、何を映していたのか ― 最後にどこへ

行きたいと思ったのか、少しだけ知りたいような気もした。」

この物語の中の登場人物、生きることに厭いてるような虚無的な心情にある人が、

その先を見たいと願うシーンは何度も出てくる。

人間が好きとは言わない、信じられるとも言わない。

でも、人間に対する興味だけは、強烈にあるように見えて、そこがとても身につまさ

れる。

宿題の答え。「最善の策がダメだった場合どうするか」

「次善の策ではなく、その場に応じた次の最善の策を考える。」


「最初から死ぬことを考えている上司など燕青は決して信じない。全てを放り投げて

無責任に死に逃げる…」

よく死んでお詫びするとか腹を切るとか、責任を取って辞職するとかいうけれど、

この側面の方が大きいような気がしてならない。

「石栄村ごと隔離し、病人や家族、救命に向かった医師もろともに火を放てと命じら

れることを。それがもっとも簡単かつ早期に流行り病を収束させる手段であり、

今までにその手段を選んだ太守は多い。」

「自分の身に降りかかってからじゃなくちゃ、人って何も考えないだろ?」

少女小説にあるまじき、シビアな人間観。