読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 上


「これは、人類が克服しがたい危機に陥っているというよりは、近代社会の
生産至上主義的なあり方、経済が他の一切の人間的活動に優先するというあり方その
ものが根本的に限界にぶつかっていることを示すのであろう。」


〇返さなければならない本なので、それまでにメモを終わらせたいとそちらを
優先していました。

読みながら、3人のことが思い浮かびました。。

一人は、あの「嫌われる勇気」のアドラー
もう一人は、昔一冊だけ読んだ哲学書「理性と実存」のヤスパースです。
そして、もう一人は「夜回り先生」の水谷修さん。

アドラーが人間が幸せであるためには、「共同体感覚」が必要であると主張したこととこのアーレントの「共同体的承認」が人間の充足には必要だという言葉は重なります。

そして、あの水谷修さんが、たった一人で誰にも相談できずに問題を抱えている子供の傍にいて、一緒に生きようとしていた姿は、まさに、そこを実践しようとしていたのだと、感じました。それは、あの「不登校児が教えてくれたこと」の森下一さんも
同じなんだと思います。

そしてこの共同体感覚というか、「自分は一人ではない」という感覚が一番大事だと
いうメッセージを欧米人に広めたのは、あのイエス・キリストだと思います。

話が少し逸れてしまいますが、昔、私は宗教というものを心から軽蔑していました。
いわゆる「イワシの頭も信心」的なものが宗教だと思っていました。
その気持ちはわからないでもないのですが、でも結局はイワシの頭を信じてしまうような愚かな心情が人間にはあるのだ、という理解にしかなりませんでした。

願わくば、そのような愚かな状況には陥りたくない、と思っていました。

ところがその気持ちを根底から覆すような気持にさせてくれたのが、
実は、このヤスパースでした。