読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

人間にとって法とは何か

「裁判における被告人の権利 (略) 日本人の感覚だと、裁判を受けるのは懲罰にも等しいような恥辱だから、そんなものは権利とはとても思えないわけです。でもこれはリンチなど、法が適用されない事態を防ぐために、裁判を受けない限り有罪にはならないと定…

人間にとって法とは何か

「第3章 近代法の原則とは何か (略) 1 罪刑法定主義 審判も処罰もすべて法(条文)を前提とする 近代法の特徴は、「罪刑法定主義」というものです。(略) フランス革命の前の旧体制(アンシャン・レジーム)というのは、たいへんひどいもので、精神病者…

人間にとって法とは何か

「ルールブックがなぜできるのか 原っぱで、子供たちが草野球をしている。この時には、何がルールかなど考える前に、とにかく三角ベースとかで遊び始めるわけです。で、アウトとかセーフとか、適当にやっている。ときどき、アウトだったかセーフだったか、紛…

人間にとって法とは何か

「2 言語ゲーム(language game)としての法 暗黙のルールと明示化されたルール どんな社会でも、人々は、必ずルールに従って行動しています。それは必ずしも責務を課すルールでなくてもいいかもしれません。とりあえず広津的なルールと考えて下さい。(略…

人間にとって法とは何か

「第2章 ハートの法理論 1 H・L・A・ハート 法律家の社会的地位について ハート(H.L.A.Hart 一九〇七ー一九九二年)という人は、日本ではちっとも有名ではなくて、私も法学部の人と研究会をやっていて、そこで紹介されるまで知らなかったのですが、読んで…

人間にとって法とは何か

「3 法の理性説(自然法) 「神の法」とトマス・アクィナス 法の理性説は、私がつけた名前なので、ふつうに通用する言い方ではありません。ふつうは「自然法思想」と言います。(略) 自然法の「自然」というのがなんなのかよくわからない。ここがポイント…

人間にとって法とは何か

〇 橋爪大三郎著 「人間にとって法とは何か (人間学アカデミー②)」を読んでいます。最近はほとんど本を買うことが出来ないので、持っている本をもう一度読み直すか、図書館で借りるか、古本屋で見つけた本を読むか、のどれかになります。 これは、古本屋で…

私はあなたの瞳の林檎 (僕が乗るべき遠くの列車)

〇 この物語もストーリーが面白かったというよりも、心に引っかかる言葉が印象的で、引き込まれました。 一番興味深かったのは、この「僕」が十五歳になる前に死ぬんだろうと思っていた、ということです。 「そりゃそうだ。自分がすぐに死ぬだろうと思ってい…

私はあなたの瞳の林檎

〇 舞城王太郎著 「私はあなたの瞳の林檎」を読みました。 この本も、「一下級将校……」を読んでいる合間に読みました。 「私はあなたの瞳の林檎」というフレーズは、「you are the apple of my eye」(あなたのことは目に入れても痛くないほど愛してる)から…

されど私の可愛い檸檬

〇 舞城王太郎著 「されど私の可愛い檸檬」を読みました。 これも、「ブンとフン」と同じく、「一下級将校…」と並行して読みました。 「トロフィーワイフ」(初出 2016年12月号)「ドナドナ不要論」(2010年8月号)「されど私の可愛い檸檬」(書…

ブンとフン

〇 井上ひさし著 「ブンとフン」を読みました。 「一下級将校の見た帝国陸軍」を読み終わって読んだのではなく、 「一下級…」を読みながら、並行して読んでおりました。 二冊の本を同時に読む、というのは、いつもは出来ないのですが、 山本氏の本があまりに…