読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 下

「すなわち、以上のような無制限な内的自由は、実際には、[死に至る]ドアは開かれているということを覚えて心にとどめておかなくてはならない」という前提を持っている、ということである。

世間からまったく疎遠になった哲学にとっては、カミュが自分の最初の本の初めにおいた奇妙な文章、つまり、「実際に重大な哲学的問題はたった一つだけしか存在しない。それは、自殺である」ということは大いなる真理である。」


「換言すれば、死すべき人間は幸福たりえない。そして、ストア派は、死の恐怖を不幸の主要な源泉だと主張することによって、人間がなしうる最大のことが、「無感覚」になることであり、生や死に影響されないことだ、という証明をしているのである。」


「結局、たとえ思考の能力をなくすことができなくても、少なくとも思考の習慣をなくすことは、常に、相対的にはいかに簡単であったかということを、我々みなは知っているのではないか。

常に気を紛らわせて生きながら、けっして他の人たちとの付き合いを捨てないことほどに必要なことはない。」


「結局、「善く生きる」ためには、「あなたが意志するように出来事が生じるといったことを求めない」だけでは不十分なのである。あなたは、「出来事があるがままに生じるように意志」しなくてはならないのである。

意志の力が、存在するものを意志し、それゆえ、意志の力がけっして「外的な諸事物と対立」しなくなるということの最高の地点に到達して初めて、意志の力は全能だと言われて良いのである。


そうした意志の全能を支持する議論一切の根底には、私にとっての現実はその現実性を私の同意から得ている、という自明だとされた前提がある。そして、この前提の根底には、その実践的な効果を保障するものとして、自分が本当に人生は耐え難いと感じたなら自殺しうるという単純な事実があるのである_「ドアはいつでも開かれている」。」


〇難しい…