読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

サピエンス全史   上 <貝殻とタバコ>

「貨幣は多くの場所で何度も生み出された。その発達には、技術の飛躍的発展は必要ない。それは純粋に精神的な革命だったのだ。それには、人々が共有する想像の中にだけ存在する新しい共同主観的現実があればよかった。」 「だが、貨幣は硬貨の鋳造が発明され…

サピエンス全史   上 <物々交換の限界>

「狩猟採集民族には貨幣はなかった。どの生活集団も、肉から薬、サンダルから魔法の道具まで、必要なものはすべて狩り、採集し、作った。」 「だが、都市や王国が台頭し、輸送インフラが充実すると、専門化の機会が生まれた。人口密度が高い都市では、専門の…

サピエンス全史  上 第10章 最強の征服者、貨幣

「1519年、エルナン・コステス率いる征服者が、それまで孤立していた人間世界の一つであるメキシコに侵入した。アステカ族(現地に住んでいた人々は自らをそう呼んでいた)は、このよそ者たちが、ある黄色い金属に途方もない関心を示すことにたちまち気…

サスペンス全史  上 <グローバルなビジョン>

「実際的な視点に立つと、グローバルな統一の最も重要な段階は、数々の帝国が発展し、交易が盛んになった、過去数世紀の間に展開した。」 「ホモ・サピエンスは、人々は「私たち」と「彼ら」の二つに分けられると考えるように進化した。「私たち」というのは…

サピエンス全史   上 <歴史は統一に向かって進み続ける>

「人類の文化は絶えず変化している。この変化は完全にランダムなのか、それとも、何かしら全体的なパターンを伴うのか?言い換えると歴史には方向性があるのか? 答えは、ある、だ。何千年もの間に、小さく単純な文化が、より大きく複雑な文明に少しずつまと…

サスペンス全史  上 第9章 統一へ向かう世界

「農業革命以降、人間社会はしだいに大きく複雑になり、社会秩序を維持している想像上の構造体も精巧になって行った。神話と虚構のおかげで、人々はほとんど誕生の瞬間から、特定の方法で考え、特定の基準に従って行動し、特定のものを望み、特定の規則を守…

サピエンス全史   上 <生物学的な性別と社会的・文化的性別>

「というわけで、女性の自然な機能は出産することだとか、同性愛は不自然だとか主張しても、ほとんど意味がない。男らしさや女らしさを定義する法律や規範、権利、義務の大半は、生物学的な現実ではなく人間の想像を反映している。」 <男性のどこがそれほど…

サピエンス全史   上 <男女間の格差>

「社会が異なれば採用される想像上のヒエラルキーの種類も異なる。現代のアメリカ人にとって人種は非常に重要だが、中世のイスラム教徒にとっては、たいして意味を持たなかった。(略) だが、既知の人間社会のすべてでこの上ない重要性を持ってきたヒエラル…

サピエンス全史   上 <アメリカ大陸における清浄>

「近代のアメリカ大陸では、同様の悪循環が人種のヒエラルキーを永続させてきた。16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパから来た征服者たちは、何百万ものアフリカ人奴隷を輸入して、アメリカ大陸の鉱山やプランテーションで働かせた。 彼らがヨーロッパ…

サピエンス全史  上 <悪循環>

「あらゆる社会は想像上のヒエラルキーに基づいているが、必ずしも同じヒエラルキーに基づいているわけではない。その違いは何がもたらすのか?」 「歴史を通して、ほぼすべての社会で、穢れと清浄の概念は、社会的区分や政治的区分を擁護する上で主要な役割…

サピエンス全史  上 第8章 想像上のヒエラルキーと差別

「農業革命以降の何千年もの人類史を理解しようと思えば、最終的に一つの疑問に行きつく。人類は、大規模な協力ネットワークを維持するのに必要な生物学的本能を欠いているのに、自らをどう組織してそのようなネットワークを形成したのか、だ。 手短に答えれ…

サピエンス全史  上 <数の言語>

「何世紀も過ぎるうちに、官僚制のデータ処理方法は、人間の自然な思考法からますますかけ離れていった。そしてますます重要になっていった。ある、決定的に重要な進展が九世紀より前に起こった。 新しい不完全な書記体系が発明され、前代未聞の効率性をもっ…

サピエンス全史  上 <官僚制の驚異>

「メソポタミア人はやがて、単調な数理的データ以外のものも書きとめたいと思い始めた。紀元前3000年から紀元前2500年にかけて、次第に多くの記号がシュメール語の書記体系に加えられ、今日では楔形文字と呼ばれる完全な書記体系へと徐々に変わって…

サピエンス全史  上<「クシム}という署名>

「(略)この初期の段階では、書記は事実と数に限られていた。仮にシュメール人の傑作小説などと言うものがあったとしても、それが粘土板に記されることはけっしてなかった。」 「私たちの祖先が残した最初期のメッセージには、たとえば、「二万九〇八六 大…

サピエンス全史  上 <書記体系の発明>

「進化は人類にサッカーをする能力を与えてはくれなかった。(略)いつの日にであれ、午後に学校のグラウンドで知らない人たちと試合をするには、それまで一度も会ったことがないかも知れないような人10人と協力しなければならないばかりでなく、敵の11人の…

サピエンス全史  上 <脱出不能の監獄>

「キリスト教や民主主義、資本主義といった想像上の秩序の存在を人々に信じさせるにはどうしたらいいのか?まず、その秩序が想像上のものだとは、けっして認めてはならない。 社会を維持している秩序は、偉大な神々あるいは自然の法則によって生み出された客…

サピエンス全史  上 <真の信奉者>

「ここまでの数段落を読みながら、椅子の上で身悶えした読者も少なからずいたことだろう。今日、私たちの多くはそうした反応を見せるように教育されている。 ハンムラビ法典は神話だと受け容れるのは簡単だが、人権も神話だという言葉は聞きたくない。もし、…

サピエンス全史  上 <想像上の秩序>

(つづき) 「ハンムラビ法典は、バビロニアの社会秩序が神々によって定められた普遍的で永遠の正義の原理に根差していると主張する。このヒエラルキーの原理は際立って重要だ。この法典によれば、人々は二つの性と三つの階級(上層自由人、一般自由人、奴隷…

サピエンス全史  上 <想像上の秩序>

(つづき) 「紀元前221年、秦朝が中国を統一し、その後まもなく、ローマが地中海沿岸を統一した。秦は4000万の臣民から取り立てた税で、何十万もの兵からなる常備軍と、10万以上の役人を抱える複雑な官僚制を賄った。 ローマ帝国はその全盛期には…

サピエンス全史  上 <想像上の秩序>

〇この<想像上の秩序>は、とても興味深い内容でした。 「農耕民が生み出した余剰食糧と新たな輸送技術が組み合わさり、やがて次第に多くの人が、最初は大きな村落に、続いて町に、最終的には都市に密集して暮らせるようになった。そして、それらの村落や町…

サピエンス全史  上 <未来に関する概念>

「農耕民の空間が縮小する一方で、彼らの時間は拡大した。狩猟採集民はたいてい、翌週や翌月のことを考えるのに時間をかけたりしなかった。だが農耕民は、想像の中で何年も何十年も先まで、楽々と思いを馳せた。 狩猟採集民が未来を考慮に入れなかったのは、…

サピエンス全史  上 第6章 神話による社会の拡大

「農業革命は歴史上、最も物議を醸す部類の出来事だ。この革命で人類は繁栄と進歩への道を歩み出したと主張する、熱心な支持者がいる。一方、地獄行きにつながったと言い張る人もいる。(略) 農耕へ移行する前の紀元前一万年ごろ、地上には放浪の狩猟採集民…

サピエンス全史  上 <革命の犠牲者たち>

「野生のヒツジを追い回していた放浪の生活集団は、餌食にしていた群れの構成を少しずつ変えていった。おそらくこの過程は、選択的な狩猟とともに始まったのだろう。」 「人類が世界中に拡がるのに足並みを揃えて、人類が家畜化した動物たちも拡がって行った…

サピエンス全史  上 <聖なる介入>

「以上の筋書きは、農業革命を計算違いとして説明するものだった。じつに説得力がある。(略)だが、生産違い以外の可能性もある。農耕への移行をもたらしたのは、楽な生活の探求ではなかったかもしれない。 サピエンスは他にも強い願望を抱いており、それら…

サピエンス全史  上 <贅沢の罠>

「この変化は段階を追うもので、各段階では、日々の生活がわずかに変わるだけだった。」 「他の多くの哺乳動物と同じで、人類は繁殖を制御するのを助けるホルモンや遺伝子の仕組みを持っている。」 「他にも、完全な、あるいは部分的な性的禁欲(文化的タブ…

サピエンス全史 上  第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

「人類は250万年にわたって植物を採集し、動物を狩って食料としてきた。そして、これらの動植物は、人間の介在なしに暮らし、繁殖していた。」 「ホモ・サピエンスは、東アフリカから中東へ、ヨーロッパ大陸とアジア大陸へ、そして最後にオーストラリア大…

サピエンス全史  上 <ノアの方舟>

「最大の被害者は毛皮で覆われた大型の動物たちだった。認知革命の頃の地球には、体重が50キログラムを超える大型の陸上哺乳動物がおよそ200属生息していた。それが、農業革命の頃には、100属ほどしか残っていなかった。 ホモ・サピエンスは、車輪や…

サピエンス全史  上 <オオナマケモノの最期>

「だが、その後には、なおさら大きな生態学的惨事が続いた。(略) 寒さに適応したネアンデルタール人たちでさえ、もっと南のそれほど寒くない地方にとどまった。だがホモ・サピエンスは、雪と氷の土地ではなくアフリカ大陸のサバンナで暮らすのに適応した身…

サピエンス全史 上 <告発のとおり有罪>

「気候の気まぐれな変動(このような場合のお決まりの容疑者)に責めを負わせて私たちの種の無実の罪を晴らそうとする学者もいる。(略) 第一に、オーストラリア大陸の気候はおよそ4万5千年前に変化したとはいえ、それはあまり著しい変動ではなかった。(…

サピエンス全史 上  第4章 史上最も危険な種

「第4章 史上最も危険な種 認知革命以前には、どの人類種ももっぱらアフロ・ユーラシア大陸(訳注 アフリカ大陸とユーラシア大陸を合わせた大陸)で暮らしていた。(略) 地球という惑星は、いくつかの別個の生態系に別れており、そのそれぞれが、特有の動…