読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日記

タイガーと呼ばれた子_愛に餓えたある少女の物語

「すごい汚れようだったので、私は一度も外に出られなかった。開いている窓越しに、鬼ごっこの監督をしているジェフの声が聞こえて来た。それをきいていると、自分が子供の頃のはるか昔の記憶が蘇ってきた。(略) たっぷり三十分経ってから、子供たちが中に…

タイガーと呼ばれた子_愛に餓えたある少女の物語

「クリニックにもどって、私たちの会話について思いを巡らしているうちに、シーラは六歳のときの出来事について、私たちが何をしゃべったかをはっきりと覚えているということに思い当たった。(略) 記憶が蘇ってきたのだろうか?もしそうだったとしたら、そ…

タイガーと呼ばれた子_愛に餓えたある少女の物語

〇 「サピエンス全史 上」では、いろいろな感想をすっ飛ばしながら書いてしまったので、そのことも気になるのですが、また、いつか落ち着いてメモを最初から読み直し、その中で、感想を付け足して行きたいと思います。 「タイガーと呼ばれた子」が途中になっ…

サスペンス全史  上 <新しいグローバル帝国>

「紀元前200年ごろから、人類のほとんどは帝国の中で暮らしてきた。将来も、やはり人類の大半が帝国の中で暮らすだろう。だが、将来の帝国は、真にグローバルなものとなる。全世界に君臨するという帝国主義のビジョンが、今や実現しようとしているのだ。 …

サピエンス全史  上 <歴史の中の善人と悪人>

「歴史を善人と悪人にすぱっと分け、帝国はすべて悪人の側に含めるというのは魅力的な発想だ。帝国の大多数は血の上に築かれ、迫害と戦争を通して権力を維持してきたのだから。 だが、今日の文化の大半は、帝国の遺産に基づいている。もし帝国は悪いと決まっ…

サピエンス全史   上 <「彼ら」が「私たち」になるとき>

(〇 目が悪くなったのか、文字が見えにくくて困ります。全て太文字にします。) 「多数の小さな文化を融合させて少数の大きな文化にまとめる過程で、帝国は決定的な役割を果たしてきました。思想や人々、財、テクノロジーは、政治的に分裂した地方でよりも…

サピエンス全史  上 <これはお前たちのためなのだ>

「(略)やがて紀元前550年ごろ、ペルシアのキュロス大王が、それに輪をかけて大げさな自慢をした。 アッシリアの王たちはつねに、アッシリアの王にとどまった。全世界を支配していると主張した時にさえ、アッシリアの栄光を増すためにそうしていることは…

サピエンス全史  上<悪の帝国?>

「今の時代、政治的な罵り言葉のうち、「ファシスト」を除けば、最悪なのは「帝国主義者」だろう。帝国に対する現代の批判は、普通二つの形を取る。 1 帝国は機能しない。長期的に見れば、征服した多数の民族を効果的に支配するのは不可能だ。 2 たとえ支…

サピエンス全史  上 <帝国とは何か?>

「帝国とは、二つの重要な特徴を持った政治秩序のことを言う。帝国と呼ばれるための第一の資格は、それぞれが異なる文化的アイデンティティと独自の領土を持った、いくつもの別個の民族を支配していることだ。では、厳密にはいくつの民族を支配していればい…

サピエンス全史   上 第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン

「古代ローマ人は負けることに慣れていた。歴史上の大帝国の支配者たちはみなそうなのだが、ローマ人も次から次へと戦いで敗北しながら、それでも戦争には勝つことができた。打撃に耐え、倒れずにいられないような帝国は、本物の帝国とは言えない。」 〇この…

サピエンス全史   上 <貨幣の代償>

「貨幣は二つの普遍的原理に基づいている。 a 普遍的転換性_貨幣は錬金術師のように、土地を忠誠に、正義を健康に、暴力を知識に転換できる。 b 普遍的信頼性_貨幣は仲介者として、どんな事業においてもどんな人どうしでも協力できるようにする。 これら二…

サピエンス全史  上<金の福音>

「ローマの硬貨に対する信頼は非常に厚かったので、帝国の国境の外でさえ、人々は喜んでデナリウスで支払いを受け取った。一世紀のインドでは、一番近くにいるローマの軍団でさえ何千キロメートルも離れていたにもかかわらず、市場での交換媒体としてローマ…

サピエンス全史  上<貨幣はどのように機能するのか?>

「タカラガイの貝殻もドルも私たちが共有する想像の中でしか価値をもっていない。その価値は、貝殻や紙の化学構造や色、形には本来備わっていない。つまり、貨幣は物質的現実ではなく、心理的概念なのだ。 貨幣は物質を心に転換することで機能する。だが、な…

サピエンス全史   上 <貝殻とタバコ>

「貨幣は多くの場所で何度も生み出された。その発達には、技術の飛躍的発展は必要ない。それは純粋に精神的な革命だったのだ。それには、人々が共有する想像の中にだけ存在する新しい共同主観的現実があればよかった。」 「だが、貨幣は硬貨の鋳造が発明され…

サピエンス全史   上 <物々交換の限界>

「狩猟採集民族には貨幣はなかった。どの生活集団も、肉から薬、サンダルから魔法の道具まで、必要なものはすべて狩り、採集し、作った。」 「だが、都市や王国が台頭し、輸送インフラが充実すると、専門化の機会が生まれた。人口密度が高い都市では、専門の…

サピエンス全史  上 第10章 最強の征服者、貨幣

「1519年、エルナン・コステス率いる征服者が、それまで孤立していた人間世界の一つであるメキシコに侵入した。アステカ族(現地に住んでいた人々は自らをそう呼んでいた)は、このよそ者たちが、ある黄色い金属に途方もない関心を示すことにたちまち気…

サスペンス全史  上 <グローバルなビジョン>

「実際的な視点に立つと、グローバルな統一の最も重要な段階は、数々の帝国が発展し、交易が盛んになった、過去数世紀の間に展開した。」 「ホモ・サピエンスは、人々は「私たち」と「彼ら」の二つに分けられると考えるように進化した。「私たち」というのは…

サピエンス全史   上 <歴史は統一に向かって進み続ける>

「人類の文化は絶えず変化している。この変化は完全にランダムなのか、それとも、何かしら全体的なパターンを伴うのか?言い換えると歴史には方向性があるのか? 答えは、ある、だ。何千年もの間に、小さく単純な文化が、より大きく複雑な文明に少しずつまと…

サスペンス全史  上 第9章 統一へ向かう世界

「農業革命以降、人間社会はしだいに大きく複雑になり、社会秩序を維持している想像上の構造体も精巧になって行った。神話と虚構のおかげで、人々はほとんど誕生の瞬間から、特定の方法で考え、特定の基準に従って行動し、特定のものを望み、特定の規則を守…

サピエンス全史   上 <生物学的な性別と社会的・文化的性別>

「というわけで、女性の自然な機能は出産することだとか、同性愛は不自然だとか主張しても、ほとんど意味がない。男らしさや女らしさを定義する法律や規範、権利、義務の大半は、生物学的な現実ではなく人間の想像を反映している。」 <男性のどこがそれほど…

サピエンス全史   上 <男女間の格差>

「社会が異なれば採用される想像上のヒエラルキーの種類も異なる。現代のアメリカ人にとって人種は非常に重要だが、中世のイスラム教徒にとっては、たいして意味を持たなかった。(略) だが、既知の人間社会のすべてでこの上ない重要性を持ってきたヒエラル…

サピエンス全史   上 <アメリカ大陸における清浄>

「近代のアメリカ大陸では、同様の悪循環が人種のヒエラルキーを永続させてきた。16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパから来た征服者たちは、何百万ものアフリカ人奴隷を輸入して、アメリカ大陸の鉱山やプランテーションで働かせた。 彼らがヨーロッパ…

サピエンス全史  上 <悪循環>

「あらゆる社会は想像上のヒエラルキーに基づいているが、必ずしも同じヒエラルキーに基づいているわけではない。その違いは何がもたらすのか?」 「歴史を通して、ほぼすべての社会で、穢れと清浄の概念は、社会的区分や政治的区分を擁護する上で主要な役割…

サピエンス全史  上 第8章 想像上のヒエラルキーと差別

「農業革命以降の何千年もの人類史を理解しようと思えば、最終的に一つの疑問に行きつく。人類は、大規模な協力ネットワークを維持するのに必要な生物学的本能を欠いているのに、自らをどう組織してそのようなネットワークを形成したのか、だ。 手短に答えれ…

サピエンス全史  上 <数の言語>

「何世紀も過ぎるうちに、官僚制のデータ処理方法は、人間の自然な思考法からますますかけ離れていった。そしてますます重要になっていった。ある、決定的に重要な進展が九世紀より前に起こった。 新しい不完全な書記体系が発明され、前代未聞の効率性をもっ…

サピエンス全史  上 <官僚制の驚異>

「メソポタミア人はやがて、単調な数理的データ以外のものも書きとめたいと思い始めた。紀元前3000年から紀元前2500年にかけて、次第に多くの記号がシュメール語の書記体系に加えられ、今日では楔形文字と呼ばれる完全な書記体系へと徐々に変わって…

サピエンス全史  上<「クシム}という署名>

「(略)この初期の段階では、書記は事実と数に限られていた。仮にシュメール人の傑作小説などと言うものがあったとしても、それが粘土板に記されることはけっしてなかった。」 「私たちの祖先が残した最初期のメッセージには、たとえば、「二万九〇八六 大…

サピエンス全史  上 <書記体系の発明>

「進化は人類にサッカーをする能力を与えてはくれなかった。(略)いつの日にであれ、午後に学校のグラウンドで知らない人たちと試合をするには、それまで一度も会ったことがないかも知れないような人10人と協力しなければならないばかりでなく、敵の11人の…

サピエンス全史  上 <脱出不能の監獄>

「キリスト教や民主主義、資本主義といった想像上の秩序の存在を人々に信じさせるにはどうしたらいいのか?まず、その秩序が想像上のものだとは、けっして認めてはならない。 社会を維持している秩序は、偉大な神々あるいは自然の法則によって生み出された客…

サピエンス全史  上 <真の信奉者>

「ここまでの数段落を読みながら、椅子の上で身悶えした読者も少なからずいたことだろう。今日、私たちの多くはそうした反応を見せるように教育されている。 ハンムラビ法典は神話だと受け容れるのは簡単だが、人権も神話だという言葉は聞きたくない。もし、…