読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャパン・クライシス

「あきらめる前に 小林 しかしそのいっぽうで、「ハイパーインフレは一瞬で終わって経済もすぐ復活するので、消費税増税よりもはるかに望ましい」と主張する人たちも結構いるのです。 橋爪 どこにいるんですか!?見つけ次第、ぶん殴ってやります。 小林 意…

ジャパン・クライシス

「ハイパーインフレのおぞましさ 小林 ここまで、財政状況を改善するには、消費税率を三五%まで引き上げることが必要という話をしてきました。 次に議論すべきは、こうした政策を行った方が、ハイパーインフレになるよりもはるかに望ましい、ということです…

ジャパン・クライシス

「増税で安心が返ってくる 橋爪 消費税率が三五%になると、特定業界がダメージを被るかもしれず、低所得者の負担も大きいのですね。それ以外には? 小林 問題点ではありませんが、大切なことが一つあります。消費税率が今より三〇%引き上げられれば、生活…

ジャパン・クライシス(2 消費税三五%への道)

「負担を覚悟する 橋爪 ここまでで、アベノミクスが夢まぼろしであることが、よくわかりました。では、われわれがいま、なすべきことは何でしょうか。 小林 言うまでもなく、財政再建です。 日本の国家予算を見れば、どれくらい財政状況を改善しなければなら…

ジャパンクライシス

「まず財政債権を! 小林 アベノミクスに対するもう一つの批判は、戦略の順番が間違っているのではないか、ということです。景気が回復すれば財政再建も達成されるというのがアベノミクスですが、実は財政再建が実現しなければ景気も回復しないかも知れない…

ジャパンクライシス

「アベノミクスに「出口」はない 橋爪 安倍政権が進めているアベノミクスは、単なる時間稼ぎで、問題を悪化させているだけなのか。それとも、事態の改善に、多少は役立っているのでしょうか。 小林 稼いだ時間を有効利用できれば、時間稼ぎは「良いこと」で…

ジャパンクライシス (第Ⅲ部 破局回避のための改革プラン)

「1アベノミクスを検証する 真実を語らない専門家 橋爪 私たち日本人に残された時間はわずかだ、ということが、第Ⅰ部、第Ⅱ部の議論ではっきりしました。 洗礼者ヨハネは言いました。(悔い改めよ。……斧はもう木の根元に置かれている。良い実を結ばない木は…

ジャパン・クライシス

「未熟な政府と日本人 小林 ハイパーインフレが起きてしまったら、日本人は自分で自分のことを支えられない国民だということを自覚せざるをえません。しかもそれを世界中にさらすことになる。 橋爪 明らかな不合理を、誰も是正できなかった、ということです…

ジャパン・クライシス

「死屍累々 小林 インフレが酷くなっていく間は「どこまで奈落が続くのだろう」と思うでしょうね。しかし、景気が一反底を打てば、環境は激変するはずです。中小企業の新規開業が相当増えてくる。 橋爪 遊休施設だらけなので、何でもできる。それまで築いた…

ジャパン・クライシス

「三等国へ転落 小林 おっしゃるように、貧困に陥った高齢者には立ち直る余地がありません。 橋爪 資産が全部、吹っ飛んでしまうわけでしょう。しかも、うまく立ち回って得する小金持ちとか、インフレに付け込んで大儲けする人も、必ず出てきます。社会的不…

ジャパン・クライシス

「コスト度外視のバラマキ財政 橋爪 日本政府のやっていることは、合法です。犯罪的ではあっても、犯罪ではありません。犯罪ではないから、その刑事責任を追及することはできない。 でも、政治的な責任は、あります。憲法二九条が定めるように、政府は、国民…

ジャパン・クライシス

「4 死屍累々 scene 4 新円切り替えを境に、ハイパーインフレは収まった。 政府の歳出削減、消費税三五%への増税は、年度途中で即実行された。IMFとの約束が錦の御旗となって、与野党とも抵抗のすべがなかった。 濃尾梨彦首相は、辞職した。病気が理由だが…

ジャパン・クライシス

「改革は痛みをともなう 小林 地方をどうするかは大問題です。日本は二〇〇五年に、人口の自然減を初めて経験しましたが、人口が増え続けていた時代には「国土の均衡ある発展」が国是となっていた。どの県にも空港や高速道路があることが目指されていたわけ…

ジャパン・クライシス

「リバースモーゲージ 橋爪 政府負担を減らすと、資産はあっても所得のない人(高齢者が多い)がとても困ってしまう。そこで、日本もアメリカのように、リバースボーゲージをどしどし導入するといいのではないでしょうか。これは、自宅を持っているものの、…

ジャパン・クライシス

「人命が第一 橋爪 このような緊急時には、政策の優先順位をきちんと示すことが大事です。 まず第一に、人命尊重。なにしろ、精神的なストレスが相当なものになる。今でも自殺者が年間、三万人ほどもいるわけですが、それが一〇万人になってもおかしくない。…

ジャパン・クライシス

「真面目な生活者ほど大損する 橋爪 でもね、小林先生。よーく考えるとそこには、大きな違いがありますよ。 財政再建なら毎年計画的に、時間をかけて税金を払い続けるので、まだ我慢のしようもある。ハイパーインフレは、死ぬほどの激痛をともなう。これが第…

ジャパン・クライシス

「一人当たり一〇〇〇万円消える 橋爪 インフレが悪化する前に金融破綻が生じた場合も、金融機関に公的資金を注入しなければならないので、通貨供給量は増加しますよね。 小林 確実に増えますね。 橋爪 金融破綻/通貨の過剰供給/ハイパーインフレ。この三つ…

ジャパン・クライシス

「ハイパーインフレが鎌首をもたげる 橋爪 でも、そのおかげで、インフレが急速に進むわけですよね。そうすると、この先もっとインフレになりそうだという予測が生まれて、人々の行動が、それを見越したものになっていくと思うんです。 たとえば、一九二三年…

ジャパン・クライシス

〇 151ページから174ページの「2 ハイパーインフレ、始まる」をそっくり飛ばしてしまいました(>_<)。 「2 ハイパーインフレ、始まる scene2 (略) 桜の咲く季節を過ぎても、今年は肌寒い。就職内定の取り消しが相次いだが、ニュースにもならない。…

ジャパン・クライシス

「下り坂のあとは上り坂 小林 他方で、賃金が一〇分の一に下落することで、人件費の安い中国と張り合える状態になっています。 橋爪 そうなんです!生産設備は無傷で残っていますし、技術力も高い。コストがかかるのは原材料費だけで、それをうまく加工して…

ジャパン・クライシス

「IMF管理で鎮静化? 橋爪 新円を発行するなら、その発行管理権は日本政府に与えず、たとえばIMF(国債通貨基金)が持つべきではないでしょうか。さんざん紙幣を印刷しまくったからこうなったわけで、新円でも同じことをやれば、元の木阿弥です。 小林 IMFか…

ジャパン・クライシス

「新円切り替えと社会保険制度のリセット 橋爪 scene3は、ハイパーインフレが始まってからしばらく時間が経過し、日本経済が焼け野原になっている状況を描いています。 ハイパーインフレで、貨幣価値は一〇分の一まで下落。事態を改善すべく、通過の供給量…

ジャパン・クライシス

〇 ※本来ここには、「2 ハイパーインフレ、始まる」が続くはずでした。 間違えて、そっくり飛ばしてしまいました。 こちらにメモします。 「3 焼け野原 scene3 (略) 海外ニュースは、日本の経済危機が憂慮されている、と報じている。 ……日本銀行はこれ以…

ジャパン・クライシス

「銀行が国有化されるとき 橋爪 そうした場合、銀行にはどういう対処法があるのでしょうか。 小林 まず、貸し出しを減らし、融資したお金を返してもらうということですね。そのお金で預金者に預金を返済します。(略) 橋爪 たしかに改善すると思いますが、…

ジャパン・クライシス

「銀行の安全装置とは? 橋爪 銀行の企業会計についてうかがいます。 債権の価格はつねに上下しています。銀行はそうした変化を毎日計算し、帳簿をつけ直しているわけではありませんよね。だとすると、「この債券は価格が下がったからまずい」という判断は、…

ジャパン・クライシス

「国債金利の上昇で銀行はどうなる? 橋爪 国債の金利が上がると、一番困るのはどういうことですか。 小林 国債の金利は、企業や個人の借入金利に連動していますから、中小企業の資金繰りにもすぐ影響が出ます。個人の場合も、たとえば変動金利型の住宅ロー…

ジャパン・クライシス

「米中は日本の危機にどう対応するか? 橋爪 日本円を買い支えるには、政府が保有するアメリカ国債を売却する必要があるんじゃないでしょうか。 小林 その通りです。 橋爪 しかしそうなると、アメリカ政府はドル売りはともかく、アメリカ国債を売るなんてと…

ジャパン・クライシス

「トリプル安へ 橋爪 再建市場がこういう状況になるとして、株式市場はどうなるんでしょうか。 教科書にどう書いてあるかというと、国債が売りに出されて値下がりすれば、資金が株式の方へ移動し、株が値上がりする。 小林 国債価格も株価も、両方下がってし…

ジャパン・クライシス

「危険な「二・二・二」 橋爪 日銀券をいくら発行するかという、日銀券の発行残高は、だいたい決まっているのでしょうか。ま、経済の実需に応じて、多少変動するにせよ。 小林 はい。今は八〇兆円から一〇〇兆円です。日銀はそれを、二〇一五年までに二倍に…

ジャパン・クライシス (第二部 最悪のシナリオ 1 暗雲)

「scene 1 (略) あの日が分かれ道だった、と今仁求留造はいまになって思う。 市場は、日本政府が財政再建に向けてどんな手を打つか、注目していた。しかし、日本政府は、動きが鈍かった。 年が明けると、円安を見越した投機や、日本国債売りが強まった。日…