読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2019-01-01から1年間の記事一覧

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「しかし一九八〇年代半ばまでは、彼らが国の運営にいかに無能であるか、誰もが気づくほどにはっきりしていたわけではなかった。一九五〇年代以降の日本は冷戦を背景に、アメリカの手厚い保護を受けていた。 しかし舵取りが必要な局面を迎えたいま、日本を動…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「日本政治における真の闘い しかし日本の一般の人々はいま私が述べたような見方をしない。それは現体制を維持しようと、日本の管理者たちが利用する偽りの現実がまんまと功を奏しているからである。 その中で一番弊害が大きいのは、日本のいまの政治とは、…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「第三部 日本人はみずからを救えるのか? 第一章 さらなる変化に見舞われた世界 いま、世界は本書が最初に出版された当時と比べれば多くの点でまったく変わってしまった。(略) いまアメリカは世界で圧倒的な大国となり、その地位をおびやかすほどのライバ…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「資本を安く生み出す 非常にコストの安い資金調達を大々的に行なった第二の時期が、「バブル経済」であった。これは本書の第二部の核心に触れる問題である。このことをもっとよく理解するには、「オーバーローン[銀行の貸し出しを含む全運用資金が自己資本…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「実体なき経済の魔力 経済のことなどほとんど関心のない人であっても、製品をつくり、穀物を生産してそれらを売る活動と、金や株式を売買し、あるいはゴルフクラブの会員権に投資するといった活動との間に違いがあることは知っている。これらはふたつの別個…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「第二章 説明責任を果たそうとしないバブルの張本人 日本の市民たちがときおり受け入れさせられる偽りの現実とは、壮大で、驚きのあまり思わず息をのむほど巧妙な欺瞞である。その典型例でもあり、同時に人々の暮らしの根本にもかかわるものが、「バブル経…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「状況の論理 このことについてもっとつぶさに検証してみよう。企業や銀行、業界団体、企業内労働組合、インフラ整備などを含め、日本という生産マシーンは飛行機にたとえることができるかもしれない。 飛行機と同様、これは基本的には不安定である。強い風…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「国家安全保障ビジネス なぜ生産拡大のためにこれほどたやすく多くのことが犠牲にされてしまったのか、という質問に対する私の二番目の答えは、日本人が安全保障を強く求めているからというものだ。 日本人が安全を求める気持ちは並外れて強い。日本国民と…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「失われた栄誉 私は国民に神秘的な特性が備わっていると言われても、それを信じないし、国民が歴史の力によって動かされるとも思わない。歴史の力など、わからないことの方が多いのだ。問題が難解であるからと言って、それを国民の精神などという推しはかり…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「明治の政治リーダーシップが安定しなかったのは、彼ら自身が指導者にふさわしいと自らを見なしていなかったからだと思われる。彼らは国民を決して信用しなかった。その意味で、明治の元老たちも、農民をまるで信用しなかった江戸時代の武士となんら変わら…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「第二部 日本に運命づけられた使命 第一章 日本の奇妙な現状 我々が生きるべき社会状況は、偶然の産物ではない。それは「自然の摂理」がもたらしたものでもない。地震や台風とはわけが違う。私がことさらにこのことを強調するのは、日本には、中国やアメリ…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「そこでいま検察官の胸の内をしばし考えてみようではないか。なぜ日本の検察官たちは、前任者たちと同じように権力を行使し続けようとするのだろうか?(略) 容疑者の運命を決定する権限を与えられているのは、自分の所属する機構がずっとそうしてきたから…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「日本のあらゆる法の上に立つ憲法で、よくメディアがとり上げるのは 第九条である。(略)日本人のなかには、この国は世界で三番目もしくは四番目に相当する巨額の防衛費を使って軍隊を維持しているのだから、憲法に違反しているという人もいることだろう。…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「一九九六年になると、厚生大臣だった菅直人が、一〇年前に起きた汚染された血液製剤を流通させたことは政府に責任があると認め、被害者に直接謝罪する一方で、厚生官僚たちに一〇年前になにをしたか正確に説明するよう迫った。彼のこの行動は説明責任とは…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「第四章 民主主義にひそむ官僚独裁主義 (略) 工業を絶えず発展させるという政策は、社会全体に大きく影響するのだから、政治の話題として議論するのが当然である。ところが、そのような議論は起きなかった。戦後の経済復興という非常に理にかなった政策が…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

〇 一二行ずつ簡単にメモして行こう、と思いながら、気になる部分については、ついメモが長くなってしまいます。 「公式的な行政の長がまったく実権を持たないという国もある。しかしそうした国でもそれに代わって権力を行使する別の人間や組織がある。とこ…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「裏切られる市民 (略) 奇跡の経済成長は日本人にとって栄誉でもあった。(略) だがアメリカの消費者たちが手にしたメリットはもっと大きかった。彼らは同じような製品をもっと安く買うことが出来たうえ、社会的な犠牲を払わなくてもよかったからだ。 し…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

「第一部 よき人生をはばむもの ただしこの「護送船団」システムが公式に認められたことは一度もない。日本は法律によって銀行を保護してきたのではないからだ。日本の多くの経済活動の実態は、法律によって許容されている内容とは大きく異なっているのであ…

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム

〇カレル・ヴァン・ウォルフレン著 「いまだ人間を幸福にしない日本というシステム」を読みました。 1994年発行の「人間を幸福にしない日本というシステム」を読んだのは、多分、’97~8年頃だったのではないかと思います。古本屋で見つけて、読みまし…

前世は兎

〇吉村萬壱著「前世は兎」を読みました。 短編集です。最初に読んだのは、「前世は兎」。次に「宗教」、「沼」、「梅核」、「ランナー」を読みました。 「前世は兎」は、すぐに物語に引き込んでくれて、ありがたいと思いました。 私は、読書があまり得意では…

死にゆく人のかたわらで

「あとがき 夫は悪く言えば、不器用というか、考えなしというか、適当というか、そういうところのすごくある人だった。(略) ある年末の日、カーテンを洗濯機に入れたものの、そのまま出かけなければならなくて、夫に「カーテン、洗ったから、フックを付け…

死にゆく人のかたわらで

「第8話 人生最大のストレス 二〇一五年六月に末期ガンの夫を家で看取った。配偶者の死、というのは人間にかかる「ストレス」のうちで最も大きいもののひとつであるという。ライフイベントとストレスに関する有名な尺度があって、「配偶者の死」の次には「…

死にゆく人のかたわらで

「第7話 総論としてはよきこと 延命治療はしてもらいたくない。そういう人は増えた。遺漏や、経管栄養や、あるいは人工呼吸器や、いわゆる命をながらえるためだけの措置は、できるだけしてほしくない。自分に意識がなくなってしまったらな、もちろん家族に…

死にゆく人のかたわらで

「第6話 「急速な老化で死ぬ」ということ ガンの末期は痛い。痛い、痛い、そう思っていた。わたしも、中咽頭原発、頸部リンパ節転移の末期ガンで死んだ、亡き夫も。 ガンは、最後、痛いんだってね。耐えられないような痛みで、つらいんだってね。でも最近は…

死にゆく人のかたわらで

「第5話 お金の問題 自宅で死ねない二つの心配事 自宅で死にたいが、不安なのは「お金」と「痛み」であるという。家族に負担をかけるのではないか、ということはもちろん心配なのだが、それと同じくらい「お金」と「痛み」が心配なのだという。「末期ガンの…

死にゆく人のかたわらで

「伊豆に出かける「暴挙」 この状況はこの時点でしばらく続く。最初に倒れた時点では、いったいなぜ倒れたのか、わからない。もともとてんかんの治療を受けていたわけだから、てんかん発作だったのか、と、その時は思っていたし、意識がないわけでもなかった…

死にゆく人のかたわらで

「第4話 いちばん怖かったこと 介護をするときに怖いこと 死にゆくプロセスを家で看取る。ガンの末期の家族を家で看取る。 本書のテーマはそのことである。それは、そんなに怖いことではなくて、家族が決意すれば可能なように思う、ということを、末期ガン…

死にゆく人のかたわらで

「いやおうなしに持った覚悟 夫が六〇を過ぎて退職し、しばらくしたころ、朝六時半、そのバクダンはバクハツした。隣に寝ている夫が「頭が痛い」と言う。ほどなく「あ、これはいつものと違う、すぐに救急車を呼んでくれ」と言う。(略) 救急制度、というも…

死にゆく人のかたわらで

「酸素吸入器をはずす 死にゆく夫と、そこに寄り添っているわたしが静かな時間を過ごせるように、そこに第三者が入って、邪魔をしたり、あれこれよけいな「処置」をしたりしないように、新田先生のたたずまいは、絶妙でだった。「夜中だったらわたしだけ呼ん…

死にゆく人のかたわらで ―ガンの夫を家で看取った二年二カ月

〇気持ちが不安定になり、なかなか落ち着いてPCに向かえなくなったので、「本のメモ」を休みがちになっていたのですが、また、少しずつ続けたいと思います。 途中になっていた、三砂ちづる著「死にゆく人のかたわらで」の メモをしたいと思います。この前の…