読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

東洋的な見方

「<現代世界と禅の精神 1961年> 昔からよく、座禅すると、胆がすわるとか、気が落ち着くとか、物事におじぬなどと言うたものである。禅そのものは、そんなところに、ぐずぐずしていないのだが、修禅の物理的面とか、医学的、生理的作用とかいう所から…

東洋的な見方

「<このままということ 1963年> さらに語を換えると、悟らぬ前を「母」といい、悟ってからを「子」というと、さらにこの悟解をも離れて、「母」と「子」とともに亡くなるとき、「大法輪を転ずる」時節が来るというのである。 何やら気にかかるので、悟…

東洋的な見方

「<自由・空・只今 1962年> 自由の本質とは何か。これをきわめて卑近な例でいえば、松は竹にならず、竹は松にならずに、各自にその位に住すること、これを松や竹の自由というのである。」 「これを天上天下唯我独尊ともいうが、松は松として、竹は竹と…

東洋的な見方

「<東西雑感 1959年> 剣道に禅が大いに関係するなどというと、西洋人は一体どういうわけか、禅は一種の宗教ではないか、剣は何といっても人を殺すもの、この両者に何の関係があるべきか、禅は人殺しに何の役に立つのかと、大いにいきり立って、つめよ…

東洋的な見方

「子供や赤子には分別はない。「頑是ない」とか「無邪気で」とかいうのは、いずれも、この無分別の点を指すのである。大人が無分別行動をとったら、大変なことになるだろう。それなのに分別を捨てて、無心の生活に還れとは、どんな意味になるのか。 東洋の「…

東洋的な見方

「<東洋「哲学」について 1961年> 東洋には、哲学がないとか、美学がないとかいう人が、かなりに多い。それだけならどうでもよいが、それが何か東洋人の頭の、西洋人のほどに発達しなかったかのように考えて、何か卑下する感じを持ちたがる若い学者がいる…

東洋的な見方

〇 わからないなりに、読み続けているのですが、難しいです。 こうなったら、わかろうとするのをやめます。わからないまま、思いついたことを 書いてみることにします。 「実は人間世界の事物は、何であっても、悉く5官が分別識の要請によって、了解が可能に…

東洋的な見方

「<東洋的見方 1961年> 言葉に出すと、何もかも抽象化し概念化し、一般化する憂いがある。禅はこれを嫌う。それで禅は言葉に訴えることを避ける。(略)しかし言葉は人間の専売特許で、一概に、これを斥けるわけにいかぬ。それゆえ、禅が言葉で伝えら…

新編 東洋的な見方

〇 鈴木大拙著 上田閑照編 「東洋的な見方」を読んでいます。 鈴木大拙という名前は聞いたことがありました。でも、なんとなく、池田大作とイメージが重なり…(>_<) 読んだことがありませんでした。 「日本的霊性」が良いという話を聞き、一度読んでみようと…

サピエンス全史 下  76P ~

「<進歩の理想> 科学革命以前は、人類の文化のほとんどは進歩というものを信じていなかった。人々は、黄金時代は過去にあり、世界は仮に衰退していないまでも停滞していると考えていた。(略) 知るべきことをすべて知っていたムハンマドやイエス、ブッダ…

サピエンス全史 下  54P ~

「第十四章 無知の発見と近代科学の成立 過去500年間に、人間の力は前例のない驚くべき発展を見せた。 1500年には、全世界にホモ・サピエンスはおよそ5億人いた。 今日、その数は70億に達する。1500年に人類の拠って生み出された財とサービス…

サピエンス全史 下  43P ~

「第十三章 歴史の必然と謎めいた選択 交易と帝国と普遍的宗教のおかげで、すべての大陸の事実上すべてのサピエンスは最終的に、今日私たちが暮らすグローバルな世界に到達した。(略) だが、グローバルな社会の出現は必然だというのは、その最終産物が、今…

サピエンス全史 下  32P~

「<人間の崇拝> 過去300年間は、宗教がしだいに重要性を失っていく。世俗主義の高まりの時代として描かれることが多い。もし、有神論の宗教のことを言っているのなら、それはおおむね正しい。 だが、自然法則の宗教も考慮に入れれば、近代は強烈な宗教…

サピエンス全史 下  26P~

〇 一応全部読み終わったのですが、抜けていた部分、<自然の法則>のメモをします。 「<自然の法則> インドのジャイナ教や仏教、中国の道教や儒教、地中海沿岸のストア主義やキニク主義、エピクロス主義は、神への無関心を特徴としていた。 これらの教義…

サピエンス全史 下

「<バイオニック生命体> ある意味で、現代人のほぼ全員がバイオニックだ。何故なら私たちの生来の感覚や昨日は、眼鏡やペースメーカー、矯正器具、果てはコンピューターや携帯電話(この二つは、脳によるデータの保存と処理の負担を軽減してくれる)まで、…

サピエンス全史 下

「<ネアンデルタール人の復活> だが、ネアンデルタール人で終わりにする必要さえないのではないか? 神の製図版にまでさかのぼって、もっと優れたサピエンスを設計すればいいではないか。 ホモ・サピエンスの能力や欲求、欲望には遺伝的基盤があるし、サピ…

サピエンス全史 下

「第二十章 超ホモ・サピエンスの時代へ 自然選択はホモ・サピエンスに、他のどの生き物よりもはるかに広い活動領域を与えたかもしれないが、これまでその領域にもやはり限度があった。サピエンスは、どれだけ努力しようと、どれだけ達成しようと、生物学的…

サピエンス全史 下

「たいていの人は、自分の感情や嗜好、好き嫌いと自分自身を混同している。彼らは怒りを感じると、「私は怒っている。これは私の怒りだ」と考える。その結果、ある種の感情を避け、ある種の感情を追い求めることに人生を費やす。感情は自分自身とは別のもの…

サピエンス全史 下

「<汝自身を知れ> 歴史上、大半の宗教やイデオロギーは、善や美、正義については、客観的な尺度があると主張してきた。そして、凡人の感情や嗜好には信用を置いていなかった。 デルポイのアポロン神殿の入り口では、「汝自身を知れ」という碑文が巡礼者た…

サピエンス全史 下

「<人生の意義> すると、自分の日常生活について、多くの人々の見方の中に一見矛盾しているように思われる点が見つかった。子供の養育にまつわる労働を例に取ろう。 カーネマンの研究から、喜びを感じるときと単調な苦役だと感じるときを数え上げてみると…

サピエンス全史 下

「<化学から見た幸福> 生物学者の主張によると、私たちの精神的・感情的世界は、何百万年もの進化の過程で形成された生化学的な仕組みによって支配されているという。 他のあらゆる精神状態と同じく、主観的厚生も給与や社会的関係、あるいは政治的権利の…

サピエンス全史 下

〇ハラリ氏は、物質的な要因や社会的、倫理的、精神的要因について述べ、人々の幸福度を評価しようとした心理学者や生物学者ら被験者の質問表や、その他のデータについて説明します。 「<幸福度を測る> 以上から、過去二世紀の物質面における劇的な状況改…

サピエンス全史 下

「第十九章 文明は人間を幸福にしたのか 過去500年間には、驚くべき革命が相次いだ。地球は生態的にも歴史的にも、単一の領域に統合された。経済は指数関数的な成長を遂げ、人類は現在、かつてはおとぎ話の中にしかありえなかったほどの豊かさを享受して…

サピエンス全史 下

「<原子の平和(バスク・アトミカ)> これらの諸帝国の後を受けた独立国家は、戦争には驚くほど無関心だった。(略) こうした征服劇は、はるか昔から、政治史においては日常茶飯事だった。巨大帝国の多くは、征服によって建設されてきたのであり、大半の…

サピエンス全史 下

「人間には、社会構造を柔軟性のない永遠の存在と見なす傾向があった。家族やコミュニティは、秩序の範囲内において、自らの立場を変更しようと奮闘するかもしれないが、私たちは自分が秩序の基本構造を変えられるとは思いもしなかった。 そこで人々はたいて…

サピエンス全史 下

「何百万年もの進化の過程で、人間はコミュニティの一員として生き、考えるよう設計されてきた。ところがわずか二世紀の間に、私たちは疎外された個人になった。文化の驚異的な力をこれほど明白に証明する例は、他にない。」 「たいていの社会では、親の権威…

サピエンス全史 下

「第十八章 国家と市場経済がもたらした世界平和 ホモ・サピエンスの必要性に応じて世界が造り替えられるにつれて、動植物の生息環境は破壊され、多くの種が絶滅した。(略) 今日、地球上の大陸には70億近くものサピエンスが暮らしている。全員を巨大な秤…

サピエンス全史 下

「<ショッピングの時代> 現代の資本主義経済は、泳いでいなければ窒息してしまうサメのように、存続するためにはたえず生産を増大させなければならない。」 「人々は歴史の大半を通して、このような文句には惹かれるよりも反発する可能性のほうが高かった…

サピエンス全史 下

「<エネルギーの大洋> 私たちは数十年ごとに新しいエネルギー源を発見するので、私たちが使えるエネルギーの総量は増える一方なのだ。それなのに、エネルギーを使い果たしてしまうことを恐れる人がこれほど多いのはなぜか?(略) この世界でエネルギーが…

サピエンス全史 下

「第十七章 産業の推進力 これほどの規模の生産を行えば、製造に必要なエネルギー資源も原材料も尽き果て、今では辛うじて残ったものをかき集めて使っているのではないかと思う向きもあるだろう。 ところが実はその逆なのだ。1700年には世界の輸送手段の…